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トリビア

【平安一のモテ男仰天の逸話】恋を諦めるため彼女のウ○チを盗んだ平安貴族…しかし「おまる」の中にはありえない物が!

約千年前に紫式部によって書かれた世界最古の長編恋愛小説「源氏物語」

この物語の主人公、光源氏のキャラクター設定は「天皇の第二子にして絶世の美男子でモテモテ、しかも全てにおいて優れた才能を発揮」…架空の人物とはいえ、そんな完璧すぎる超人いるわけがない!紫式部、盛りすぎ!と思いきや、実在の人物がモデルとなっているといわれています。

「伊勢物語」の主人公であり恋多き歌人としても知られた在原業平、光源氏と同じく天皇の皇子として生まれ美男子と評判だった源融、母親が「更衣」で左遷された点まで光源氏と共通する皇子源高明、など不遇な生い立ちや境遇が似通う高貴なイケメン貴族がモデル候補として挙げられています。

特に光源氏のモデルとして有力視されている在原業平は、天皇の血筋を引くイケメンなのをいいことに高貴な女性に手を出しまくりのプレイボーイぶりを発揮。その結果…女性絡みのスキャンダルから都にいられなくなり、東下り(京都から当時辺境の地だった関東地方へ行くこと)の運命に。生涯に3733人の女性と関係があったといわれるなど、超肉食系エピソードに事欠かない平安きってのモテ男です。

そんな在原業平に負けないモテ男として知られるのが平貞文、通称平中です。

平安京への遷都を行った桓武天皇の玄孫(孫の孫)にあたる、高貴な家柄に生まれた貞文こと平中。「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」には「好色家で宮仕えの女はもとより、人妻など、高貴な女のもとにもこっそり通っていた。彼が好意を抱き恋文を贈る女で、なびかない女はいなかった」と書き残されています。

つまり、狙った女性は必ず落とす、平安随一のプレイボーイだったのです。家柄もよく、和歌が上手、しかもイケメン…モテないはずがありません。

そう…まるで「私がこうすることで喜ばぬ女はいなかった」で知られるスタジオジブリ制作のアニメ映画「かぐや姫」の帝の世にもキモい迷セリフを地で行く、超モテモテっぷりだったようです。

しかし、そんな超絶モテ男の平中ですら、落とすことのできない女性がいました。ときの左大臣・藤原時平の妻であり村上天皇の母后に仕えていた本院侍従という女性です。宮中に宮仕する人妻に恋した平中。さっそくいつものように恋文を贈りアプローチします。

しかし、いくら言い寄っても全然なびいてくれません。実はこの本院侍従も相当な恋多き女で、恋の駆け引きに慣れており、手紙に返事はくれるものの、思わせぶりな態度で平中の求愛をのらりくらりとかわします。

完全に拒否されてるわけではないけれど、気持ちに応えてくれない…彼女の小悪魔的な対応に翻弄され平中はますます恋心が募る一方でした。

「MMK(モテてモテて困っちゃう)な俺になびかないとは…」つれない本院侍従への恋心が(というより執着が)抑えられなくなった平中、ついに女童の手引きで侍従の部屋を訪ねます。しかもちゃっかり土砂降りの雨の夜を選び、「こんな大雨の日に来てくれるなんて、彼ってドラマチック!私のことが相当好きなのね❤️」と思ってもらえるよう計算づく。いかにもプレイボーイらしい手慣れた小手先の小細工にイラッとしますね。

ついに恋焦がれた女性と対面することができた平中。平安時代の上流貴族社会では、家族以外の男女が会うということは、すなわち寝所を共にする男女の関係OKということを意味します。

プレイボーイの意地にかけてようやく彼女に振り向いてもらえた…と思いきや、本院侍従は平中の待つ部屋に現れたものの、「あ、襖の鍵を閉め忘れちゃったわ」と言って単衣に袴姿で部屋を出て行ってしまいました。

ウキウキしながら準備万端の臨戦態勢で待っていた平中ですが、いつまで待っても本院侍従は戻ってこない…

痺れを切らし、襖の前まで行ってみると襖の向こう側から鍵がかけられてる!本院侍従は平中を置き去りにしたまま、とっとと奥の部屋へと引き揚げていたのです。恋する相手から無情にも放置プレイをくらい、平中は茫然自失。「この俺をここまで弄ぶなんて…ひどい、なんて仕打ちだ」と、当代一のイケメンのプライドもズタボロです。

「もういい、こうなったらこっちから嫌いになってやる」と想いを断ち切る決意をします。しかし、これまで関係を持った女性たちの中で唯一自分になびかなかった相手に対する執着心からか、いつまでたっても未練タラタラ。全然諦められそうにありません。

「どうしたら彼女のことを忘れられるんだ…」悶々と考えた結果、平中はなんともビックリな方法で恋を封印することにします。

その方法とは…なんと本院侍従のう◯こを見て、恋心を葬り去るというものです。 え?う◯こ?!と、突拍子もない発想にドン引きしてしまいますが、「どんなに美しい彼女であろうと、う◯こはさすがに美しいとは言い難いはず…彼女の汚いう◯こを見たら自然と恋も冷めて諦めがつくだろう…」と彼なりに考え抜いたようです。

当時、やんごとなき身分の女性は自室に置いた「樋箱」という箱型のおまる便器に用を足しました。平中は部下に命じ、本院侍従の召使が彼女のおまるを運び出す瞬間を狙い盗み出させます。(こんなミッションを命じられた部下 が気の毒でなりません)

うやうやしく、というかイヤイヤながら部下が差し出した高貴なおまる。金箔を施された美しい漆塗りの箱型おまるの中を想像して、さぞかし失望するに違いない…としばらく躊躇していた平中ですが、ついに意を決しておまるの蓋を開けます。

(↓ 画像はイメージです)

すると…中からなんとも良い香りが立ち込めてきます。不思議に思って覗き込むと、黄土色の親指ほどの大きさのブツが入っています。「う◯こに違いない」と平中は棒で突いてみたところ、なんと、ブツの正体はお香を練り固めてう◯こに似せた偽物だったのです。

自分の情けない行動は全て彼女にはお見通しだったということに気づいた平中、本院侍従の方が一枚も二枚も上手だったんですね。それにしてもこんなしょうもない変態的手法で恋心を断ち切ろうとする平中に、わざわざお香を練って作った偽う◯こ対応してあげるなんて、本院侍従もかなり懐が深いですね…

その美貌にくわえ、相手を一方的に拒絶してシャットアウトせず、気を持たせるスキをわざわざ残してあげるあざとさが恋多き女としてプレイボーイ平中を虜にした所以かもしれません。

現在ならばストーカーによる検便強奪事件といったところでしょうか。警察に通報してもいいレベルのドン引き案件ですが、平中をからかうような余裕の対応から、とりあえず平中を崇拝者の一人としてキープしておきたかった恋多き女・本院侍従の多情ぶりが伺えます。もしかしたら似た者同士の二人だったのかもしれません。

「う◯こが入っていれば、100年の恋も冷めると思ったのに…こんな気のきいたことをするなんて、ますます彼女のことが忘れられない」と恋心が冷めるどころか、余計に恋の炎に油を注ぐ結果となってしまいました。

平安きってのモテ男、平中の唯一の叶わなかった恋の物語。歌人として歌も残していますが、この「う◯こ盗み」エピソードが強烈過ぎて、平貞文(平中)といえばこの話、という印象が後世に残ってしまいました。

その後もより一層、本院侍従への恋心は募るものの、とうとう契りを結ぶことはありませんでした。平中の凄まじい「恋を忘れるための方法」には驚愕してしまいますが、1000年以上前に生きたモテモテ平安貴族もこうして恋に思い悩んでいたと想像すると興味深いものがありますね… (でもう◯こを見て失恋しよう、という発想には全然共感できませんが)

気になる姫を覗き見に、夜這い垢だらけで激臭・超不潔…平安貴族の驚愕の実態に迫る「華麗で優雅と思いきや…想像以上にシュール!カオスに満ちた平安貴族のリアルライフ」前編中編後編も是非お楽しみください。

プレビュー画像: ©️pinterest/taleofgenji.org