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一世を風靡した子役たちの今

映画やドラマなどの成功で、一夜にして世界的な名声を手にしてしまうことがあるのが、子役です。

みなさんも記憶の中で、忘れられない子役たちの演技があるのではないでしょうか?しかしその後彼らがどうなっていったのか、知る人は多くはないかもしれません。

中には成功している人もいれば、悲惨な末路を辿った人もいて、その様相は実に悲喜交々。

あの一世を風靡した子役たちが今どうなっているのか、実際にみなさんの目でお確かめください。

テータム・オニール『ペーパー・ムーン』

父のライアン・オニールと共演した「ペーパー・ムーン」でなんと10歳の若さでアカデミー助演女優賞を獲得してしまったテータムは、天才子役の代名詞的存在です。

しかし、「ペーパー・ムーン」で父の存在感をはるかに凌ぐ演技をしてしまったことから、父ライアンは嫉妬に狂い、「自分があいつに幸せな人生を与えてやった」なんて周囲に吹聴して回るなど、大人気ない行動に出ます。テータムは精神の安定を崩し、何度も自殺未遂を図るように。

その後も長くドラッグの問題に悩まされ、2008年にはヘロインの購入未遂で逮捕。更生治療を経て、新たな人生を歩み始めています。

ノア・ハザウェイ『ネヴァーエンディング・ストーリー』

「ネヴァーエンディング・ストーリー」のアトレイユ役で知られるノア・ハザウェイ。ドイツ人映画監督のヴォルフガング・ペーターゼンは、映画を作るにあたり、勇猛な士気を持ち、がっしりした体格の、器用に馬を乗りこなし、竜の背に乗って飛び回り、湿地帯を切り抜け、岩石の上によじのぼり、凶悪なオオカミ吸血鬼と闘うことがイメージできるような、そんな子役を探していたそうです。そのメチャクチャに高いハードルをクリアしたのが10歳のノア・ハザウェイでした。

語学も堪能で、撮影の時点でフランス語を理解することができ、さらにドイツ人のペーターゼン監督のドイツ語の指示もしっかりと理解していたそうです。

そもそも演技よりはスポーツに関心を示していたようで、1980年代半ばには、俳優を引退して、持ち前の運動神経を活かして、ダンスの指導者に転向を果たしたようです。

ハーレイ・ジョエル・オスメント『シックス・センス』

「シックス・センス」や「A.I.」で天才子役としての名声を欲しいがままにしていたのは、ハーレイ・ジョエル・オスメント。

しかし成長するにしたがって、容貌はかなり駆け足で大人ぽくなってしまいました。2006年には飲酒運転で逮捕、さらにマリファナ所持も発覚するなど、私生活でもスキャンダルを連発。しかし2010年にはニューヨーク大学の芸術学部をきちんと卒業し、現在も俳優として、順調に活動しています。

ちなみに日本のテレビゲーム、「キングダムハーツ」シリーズの主人公、ソラの英語版の声を当てているのはこのハーレイくんです。

ジェイク・ロイド『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』

「スター・ウォーズ」で若きアナキン・スカウォーカー=ダース・ベイダーを演じて一躍注目を浴びたのがジェイク・ロイド。しかしそれが原因で、学校では、クラスメイトたちと目が合うたびに、ライトセーバーの音を出されるなど、執拗ないじめを受けることに。

さらにスター・ウォーズの役柄について、1日に60件ものインタビューをこなさなければならず、その時のことをジェイクは「生き地獄」と形容しています。スター・ウォーズ関連の記念品は、全て自らの手で壊してしまったんだとか。

さらに2015年には警察とカーチェイス沙汰を起こし、2016年は統合失調症の治療のために精神病施設に移されてしまいました。

若くして世界的な大ヒット作に出演したことが仇となってしまったのです。

クリスティーナ・リッチ『アダムス・ファミリー』

「アダムス・ファミリー」のミステリアスで邪悪なウェンズデー役で人気爆発したのがクリスティーナ・リッチ。幼少の頃の雰囲気そのままに、個性派の美人女優に成長し、映画出演を続けています。ジョニー・デップと共演した「スリーピー・ホロウ」や、主演した「ペネロピ」などが大人になってからの代表作と言えるでしょう。

マトリックスの最新作「マトリックス レザレクションズ」に出演していることも明らかになりました。

エドワード・ファーロング『ターミネーター2』

(写真・右)

エドワード・ファーロングは「ターミネーター2」で若きジョン・コナーを演じ、その美少年ぶりに、世界中から熱視線が浴びせかけられました。

日本でもホットヌードルのCMに出演するなど、絶大な人気を誇っていましたよね。しかし残念ながら、その成長はあまり順調には行きませんでした。

元々複雑な家庭の出身だったエドワード。母親に自分のギャラが奪われることを恐れたのか、16歳の時点で、自分のセット・チューター(子役の過剰労働を撮影現場で見張る人)を務めた13歳年上の女性ジャクリーン・ドマックと同棲を開始。しかし結局破局し、慰謝料を求める裁判を起こされ、そこから徐々に薬物乱用、アルコール依存の道にのめり込んでしまったのです。

波瀾万丈な人生ですが、今も俳優として細々と活動しています。

ブラッド・レンフロ『依頼人』

「依頼人」でどこか大人びた雰囲気の美少年を演じたのが、ブラッド・レンフロです。繊細な性格で、ギターを演奏したり、詩や小説を書くことを趣味としており、ストーリーテリングの才能に長けていた人物だったそう。

しかし子役の宿命か、プライベートではやはりどこか脆く、コカインやマリファナに溺れていたと言います。そして2008年、25歳の若さで、ロサンゼルスの自宅で亡くなっているのが発見されました。死因は、ヘロインの過剰摂取だったと言います。

奇しくも、レンフロを見出したエージェントは、「ターミネーター2」のエドワード・ファーロングを発掘したのと同じ人物だそうです。

ドリュー・バリモア『E.T.』

「E.T.」で、主人公エリオットの可愛らしい妹を演じたドリュー・バリモア。子役としての成功の裏で、私生活は荒んでいたそうです。

しかしそんなことを感じさせないほどに、力強く女優のキャリアを築きました。幼少時の可愛らしさそのままに大人になったドリューは、「チャーリーズ・エンジェル」シリーズや「50回目のファースト・キス」などの映画で観客を魅了しました。

50歳に近づいた今も、順調に活躍しています。

ジェリー・オコンネル『スタンド・バイ・ミー』

「スタンド・バイ・ミー」で、ずんぐりむっくりした少年ヴァーン・テシオを演じたのがジェリー・オコンネルです。

現実世界でも起こりがちなことではありますが、ぽっちゃりしていたジェリーはいつしか長身のイケメンマッチョに成長。絵に描いたようなハンサムなアメリカ人男性といったような感じになっています。

ニューヨーク大学では映画を専攻すると共にフェンシング選手としても活躍。さらにサウスウェスタン大学では法律を学びました。現在は俳優としてはもちろん、プロデューサーや脚本家などとしても活躍しており、超リア充な雰囲気をかもし出しています。

同じく「スタンド・バイ・ミー」でハンサムな少年クリスを演じたリヴァー・フェニックスが辿った運命は、こちらの記事をお読みください。

ビョルン・アンドレセン『ベニスに死す』

(上の老人が現在の姿)

「ベニスに死す」で、主人公の作曲家を虜にしてしまう美少年を演じたのが、スウェーデン出身のビョルン・アンドレセンです。

まさに憂いを帯びた美少年の形容が相応しい完璧な容貌で、世界一の美少年と呼ばれました。日本でもその美少年ぶりは評判を呼び、来日した際にはファンの女の子に髪の毛を切り取られてしまうほどでした。

その後、俳優として表立った活動はほとんどありませんでしたが、2019年、ホラー映画「ミッドサマー」で久方ぶりに俳優としてのインパクトを観客に残しました。

2021年には、ビョルンの半生を描いたドキュメンタリー映画「世界で一番美しい少年(The Most Beautiful Boy in the World)」が発表されました。しかしそこで明らかにされた事実は、ビョルンが「ベニスに死す」の監督であるルキーノ・ヴィスコンティ監督や祖母、その他の大人たちに性的搾取をされてきたという驚くべきものでした。

レオナルド・ディカプリオ『タイタニック』

知っている人もいるかもしれませんが、「タイタニック」で世界を席巻したレオ様も実は子役出身。

貫禄と脂肪がのりましたが、今もバリバリ現役で活躍しているので、特に語ることはありません。笑

マコーレー・カルキン『ホーム・アローン』

「ホーム・アローン」シリーズであまりにも強いインパクトを観客に残したのが、このマコーレー・カルキンくんですよね。

ホーム・アローン効果で人気はどんどん上がっていき、一時期は子役にして800万ドルものギャラが支払われるほどでした。しかし少し図に乗ってしまったのでしょうか。制作サイドに非常識な要求を繰り返すようになり、徐々にハリウッドから干されるように。

さらに両親が離婚し、カルキンくんが稼いだギャラを巡って泥沼のバトルを繰り広げました。それに深く傷つき、10代半ばで完全にアル中に。

その後、若くして結婚したり、離婚したり、マリファナで捕まったりと色々ありましたが…なんだかんだで、人気が尽きないのがこのカルキンくん。

いつしか、吹っ切れたのでしょうか。ホーム・アローンを自ら進んでネタにしたり、どことなく醸し出される、達観したような雰囲気に、インターネットでは常に人気を誇っています。人生を人より早く進みすぎただけだったのです。

2021年には息子も生まれ、家庭的な幸せも掴みつつあるようです。

いかがでしたか?

子供の頃の勢いそのままにスターダムをのし上がっていった人もいる一方で、人生を狂わされてしまった子役たちの姿も目立ちます。ショービジネスの功罪を考えずにはいられませんね。しかし、彼らは間違いなく、普通の人が経験できないことを子供時代に経験しています。その経験を糧に、これから活躍していって欲しいと願ってやみません。

一方で、成功した子役の記事はこちらからお読みいただけます。

プレビュー画像:  / © Twitter/ groundlessnfree © Twitter/ hazardoflove

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