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2年ぶりに放送された【となりのトトロ】 しかしネット上で巻き上がった批判に時代を感じずにいられない

「となりのトトロ」ほど老若男女から愛されている作品もないでしょう。言わずと知れた宮崎駿監督の代表作。1988年の劇場公開時の興行収入こそ振るいませんでしたが、幾度となくテレビで放映されており、そのたびに新たなファンを獲得しています。古くからのファンであれば、放映されるたびについつい観てしまいますよね。

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しかし2020年になって再放送されたとなりのトトロに対して、Twitter上である議論が巻き起こっています。

それは、12歳の長女のサツキに対する扱いが、児童虐待にあたるのではないかと言う声でした。

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子供時代の記憶では、朗らかで、優しいお父さんとして思い出される草壁タツオ。この32歳の大学の考古学の非常勤講師は、一家を支えるために中国語の翻訳の副業をしています。
しかし、非常勤であるために収入は決して安定したものではないでしょうし、仕事がある時は都合よくメイを隣のお婆さんに預けるなど、やや親としての自覚を欠いた描写も確かに目立ちます。

劇中では、入院中の母親に代わって、12歳の長女・サツキが家事を行い、メイの母親代わりにもなっていますよね。これも「遊びたい盛りの子供を家事に縛り付けるのはかわいそう」だとして、児童虐待にあたるのではないかと指摘する声もあがっています。

また、劇中ではお父さんがサツキとメイと一緒にお風呂に入るシーンがありますが、これもアメリカやヨーロッパなどの感覚では性的虐待にあたるレベルの行為だそうです。

確かに、現代的な感覚から言えば、これらの行為は問題であるかのように映るかもしれません。しかし作品の舞台である昭和30年代当時は、このようにコミュニティ全体で子育てをするのは日常的な光景だったのではないでしょうか?同じように、添い寝文化が一般的である日本においては家族で一緒にお風呂に入ることもそう珍しいことではありません。

作品の舞台となっている1950〜60年代の時代の雰囲気、また、作品が制作された当時の状況を少しでも考えることができないのであれば、それは想像力に欠けているだけだと言う意見も多く見られました。また、このように純粋に作品を楽しめず、すべてにポリコレ的なツッコミが入ってしまうような悲しい時代になったと嘆く声も散見されます。

いかがでしたか?しかし当然、このように議論を呼んでしまうのは、トトロが誰もが知る名作であるからこそ。以前こちら記事でも紹介したように、時代の流れと共に劇中のキャラクターの見え方は変わっていくものです。このように、異世代間の活発な意見の交換を促せるのであれば、それは優れた芸術作品としての役割を存分に果たしていると言うこともできるでしょう。皆さんの目にはこの名作、今はどのように映っていますか?

プレビュー画像: / © Pinterest/ twitter.com