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ネットで話題

加速するアジア人差別に物申した大坂なおみ そのツイートが正論すぎて世界中を揺り動かす

世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルス。

感染の拡大が始まり、厳しい外出制限などが設けられ始めてから1年以上経過してもなお、感染者数は十分に抑え込めておらず、収束にはまだ時間がかかるだろうと多くの科学者が予見しています。

しかもこの新型のウイルスが運んできた猛威は、新しい生活様式や経済停滞、学校閉鎖などの日々の暮らしへの影響だけではありませんでした。

ここ1年ほどで、アメリカやヨーロッパでは、アジア系の住人に対するヘイトクライムが急増しています。アジア人であるというだけで理由もなく暴言を吐かれたり暴力を振われたり、最悪のケースでは命を落としてしまう事件まで発生しています。

トランプ元大統領が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼び民衆を煽ったことも原因してか、アジア人に対する偏見や憎しみの感情が結果として増加してしまったのです。

この負の連鎖にストップをかけなければと、アメリカやヨーロッパに住む多くのアジア系の人々、もしくはアジア系ではなくとも人種差別撤廃を訴える人々が行動を起こしています。

「#StopAsianHate」(アジア人嫌悪にストップを)の標語を掲げ、街頭に立ったり、SNSで積極的に差別の撤廃を訴えるなど、その方法はさまざまですが、「罪のない人に危害が及ぶことは絶対に避けなければ」…そんな共通の思いを持って、行動しているのです。

そんな情勢においては、有名人の発言は大きな影響力を持つ時があります。

ある有名テニス選手がSNSで訴えた、「#StopAsianHate」に関するコメントが、深い説得力があると世界中で話題を呼んでいます。

その投稿をしたのは…そう、大坂なおみ選手です。

(大坂なおみ選手、左はバスケットボールの八村塁選手)

複数の国のバックグランドを持つ大坂選手は、きっとこのようなアジア人に対する攻撃に胸を痛めていたのでしょう。

3月27日にTwitterで、このような文章を投稿しました。

もし、人々がタピオカティー、アニメ、餅、寿司、抹茶を愛するのと同じくらいアジアの人々を愛しているなら…

特定の文化から来たものを楽しんで、利益を得ているのに、それを生み出した人々を攻撃したり、軽視したりすることを想像してみてください。

大坂選手は、アニメやタピオカティーなどの(世界的に人気のある)アジアのカルチャーを思う存分に享受しておきながら、それを生み出しているアジアの人々を攻撃することほど愚かでナンセンスなことはないと指摘したのです。

英語で書かれたこの投稿は、TwitterとInstagram合わせて25万以上のいいね!を集め、多くの人の共感を獲得しています。

「よく言った!」「これはアフリカのカルチャーに関しても言えること。だからお互い、支え合うことが大事だよ」「世界のどどこでも、似たようなことが起きているのかもしれないね」…そんなコメントで溢れ返りました。

 
 
 
 
 
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Ein Beitrag geteilt von 大坂なおみ (@naomiosaka)

複数の国のバックグランドを背負って戦っているがゆえに、時に「一体どこの国に属してるの?」なんていわれのない批判に晒されてしまうこともある大坂選手。しかし大坂選手は勇敢にも、人種差別に関して発言したり行動することを恐れたことは一度もありません。過去には、警察官による黒人に対する銃撃事件に抗議するために、試合をボイコットしたこともあります。

その際も、「テニス選手なのだから政治は関係ない。ちゃんと試合をしろ」などと一部から批判が上がりました。しかし、大坂選手は沈黙しないというスタンスを貫きます。沈黙は時に「大きな同意」となってしまうからです。差別に対し、しっかりと声をあげなければいけないと誰よりも知っているのは、彼女なのではないでしょうか。

テニス選手として、そしてアジアにルーツを持つひとりの人間として、大坂選手の勇気ある闘いは、コートの中でも外でも、きっと続いてゆくのでしょう。

プレビュー画像:  / © Pinterest/ LOOT & RIOT™