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アンビリーバボー

20年ぶりに逮捕された脱獄犯 御用のきっかけがおマヌケすぎた

世界各地の道やその周辺の様子をリアルに見ることができるGoogleストリートビュー。本来はドライバーの運転の手助けのために導入されたサービスですが、最近では今は亡き家族の生前の姿を見つけた人が多くおり、感動的なストーリーが伝えられています。

しかし時にGoogleストリートビューは思わぬ事態のきっかけになることも。

2021年12月、スペインの首都マドリッド郊外にある町、ガラパガルでイタリア人のジョアッキーノ・ガミーノ(61)は、20年の逃亡劇の末逮捕されました。

逃亡犯が連行されているところ
YouTube/Fanpage.it

イタリアで最重要指名手配者にリストアップされた殺人犯だったにもかかわらず、20年もの長い間逃亡生活を成功させたガミーノ。どうやらこの20年で、結婚をし、名前をマヌエルと変え、レストランのシェフとして、また食料品店の店主として働き、別人としての人生を送っていたそうです。

完璧とも思われた逃亡生活ですが、本人が思っても見なかったところに落とし穴が。そう、ガミーノはGoogleストリートビューに、ガッツリ映り込んでしまっていたのです。(右の白いシャツの男性)

Googleストリートビューに映り込む男
YouTube/Fanpage.it

シチリアのマフィアだったガミーノは、1990年台に敵対するマフィアと抗争し、その際に民間人を殺害した罪やその他諸々の罪で指名手配され、1998年に逃亡先のバルセロナで逮捕。その後終身刑を言い渡され、イタリアで服役をしていましたが、2002年刑務所内での映画撮影の際に隙を見て脱獄に成功していました。

イタリア警察は、2014年に欧州逮捕状(EU加盟国全体で有効となる逮捕状)を発行し、捜索範囲を広げてガミーノの行方を追っていました。

そんな中、偶然発見されたGoogleストリートビューの写真は、捜索進展の大きな手がかりに。警察が周辺を捜査すると、なんとガミーノはあろうことか、近くのレストランのシェフとしてFacebookで紹介されていたのです。(レストランは現在閉鎖中)

この写真から、警察はガミーノの特徴であった左顎の傷を確認、マヌエルと名乗る男を逮捕に至ったのでした。

20年もの間逃亡に成功していたガミーノ。マフィアとも関係を断ち切り、全て成功したと思っていたようです。逮捕時「どうやって俺を見つけたんだ?この10年、家族とも連絡をとっていなかったのに!」と口にしていたとのこと。

まさかGoogleストリートビューに映り込んでしまっていたとは、本人も夢にも思わなかったことでしょう。20年という時間、別人になりきった暮らしで警戒心も緩んでいたとは思いますが、御用となったきっかけがGoogleストリートビューへの映り込みとは、なんともおマヌケな結末ですね。

老子の言葉に「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉がありますが、今回はGoogleストリートビューがまさに天の張る網のごとく、指名手配犯のガミーノを、網の目から漏らすことなく逮捕に至らしめたとも言えそうです。

Google ストリートビューでの感動的再会を紹介した記事はこちらから
Googleストリートビューで家族を偶然見つけた人々

プレビュー画像:©YouTube/Fanpage.it
出典:the guardian, Gigazine