ちえとくをフォローする

えらい

車中泊ホームレスの70歳女性を救った「大丈夫ですか?」の一言

日本には「困った時はお互いさま」という言葉があります。私たちは生きている限り、誰かに支えられ、誰かしらに迷惑をかけながら生きている、そんな謙虚な気持ちが込められた言葉です。

現代では、ソーシャルメディアのおかげで、そんな温かい相互扶助の気持ちで困った人を助けようとする輪が広がりやすい時代とも言えます。

米国では、困っている老婦人に「大丈夫ですか?」と声をかけた2人の女性の温かい気持ちがネットワークを通して広がり、1人の老婦人を救ったエピソードが伝えられています。

ジェニファー・ハズバンド・エルシエとメリッサ・アカチャは、スーパーマーケットの駐車場で明らかに助けを必要としている老婦人を見かけました。老婦人の車はベンツのSUVですが、中には尋常でない量の荷物が積まれていたのです。天井までぎっしりと。

©YouTube/ABC News

仲の良い友人同士であるジェニファーとメリッサは、疲れ切った様子の老婦人に「大丈夫ですか?」と声をかけました。老婦人は「大丈夫です」と答えましたが、とても大丈夫そうには見えません。

老婦人の名前はリン・シュッツマン。70歳の彼女はホームレスで車中生活をしていたのです。自分の持ち物を車に積み込み、2匹の犬まで車の中で一緒に過ごしていました。

リンの小さな小さな贅沢は、月に一度、モーテルに泊まること。その夜だけは、温かいシャワーを浴びることができました。

ジェニファーとメリッサは、この話を聞いて、何もせずにリンをほっておくことができないと感じました。2人はまず、疲れ果てたリンを緊急シェルターに連れて行きました。

©YouTube/ABC News

ジェニファーとメリッサは、自分たちのソーシャルメディアで情報を集めました。

「最近、スーパーの駐車場で車の中で生活している2匹の犬を連れた老婦人についてどなたかご存知ですか?」

この投稿から、リンが2年以上前から車中生活を続けていることがわかりました。リンは元薬剤師でしたが、病気になり、高額な入院費の支払いのため、すっかり貧乏になってしまい、家を売り払わざるをえなかったのです。アメリカでは健康保険が適用されないので、医療費の支払いで破産する人が少なくありません。

ジェニファーとメリッサは、リンのために資金調達のページを立ち上げました。70歳のおばあさんが車中生活を余儀なくされているという話が拡散すると、すぐにさまざまな方面から援助が寄せられました。近所に住む人たちは服や毛布、食べ物やドッグフードを運んできてくれました。お金を寄付してくれる人も。そしてわずか10日後には、アパートを借りられるだけの資金が集まったのです。

支援者たちは、このアパートの壁を塗り家具を運び込みました。こうして、リンは思いがけず、2年間の家賃が前払いされたワンルームの家をプレゼントされたのです!

©YouTube/ABC News

この美しい相互扶助の様子は以下の動画でご覧いただけます。

70歳のリンは、自分ひとりでは、助けを求める気力もツールもありませんでした。ジェニファーとメリッサが「大丈夫ですか」と声をかけてくれたことをリンは心から感謝しています。

2人の女性の温かい気持ちが、助け合いの輪を広げ、リンの生活はまさに一変したのですね。リンの笑顔に心が温かくなります。

みなさんには困った時に声をかけてくれた恩人はいますか?

出典: spotlight stories

プレビュー画像: © YouTube/ABC News