えらい
現代の深刻な貧困問題:配管工が寒さに震える子どもたちを救う
「見ず知らずの困っている人に手を差し伸べる」
口で言うほど簡単なことではありません。電車の中で席を譲ったり、道に迷っている人に率先して声をかけ優しく道を教えることさえ、難しいと感じる人は多いのですから。
イングランド北部のバーンリーに住むジェームズ・アンダーソンは、困っている人に当たり前のように助けの手を差し伸べる稀有なひとりです。
以前、「91歳の依頼者に出した配管工の請求書」で紹介した配管工ジェームズは、配管修理を必要としている社会的弱者を救済するためDepherという団体を設立し、高齢者や疾患に苦しむ人が安心して暮らせるように緊急配管修理サービスを提供しています。
そんなジェームズはある家族に出会って、現代の貧困がいかに深刻なのかを目の当たりにしたと言います。
「地区の家々を回っていたときに、この家に立ち寄りました。この一家に出会い初めて貧困がどれだけ人々の生活を阻害しているかが分かりました。家の中は、凍え死んでもおかしくないほどの寒さだったのです」
その家は息さえも凍りつきそうなほど冷え切っていました。子どもたちは震え、母親は静かに涙ぐみ、父親はただ無力な顔をしています。
「子どもたちは何が起こっているのかわからず途方に暮れていました。どうして、こんなに寒いの?どうしてお父さんとお母さんは暖かくしてくれないの?どうして暖房をつけないの?」
両親は、次の給料が入るまでの間、暖房費を支援してくれないかとジェームズに相談しました。ジェームズは、この一家の窮状にショックを受け、次の給料が入るまでの食費、ガス代、電気代として170ポンド(約2万5000円)を渡しました。
それ以来、彼は他の家でも同じような状況に遭遇したと言います。「現代社会でこんなことは許されないはずです」と彼は言います。
21世紀になっても貧困はまだ世界各所に残っています。先進国であっても、貧困は切実な問題なのです。
私たちにできることは、ジェームズのように、見て見ぬふりをせず、できるところから取り組むこと。ジェームスが行っているような支援団体への寄付、身近な人のケア、地域でのボランティアの参加など、自分に何ができるのかを考えてみてはいかがでしょうか。
出典:ladbible
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