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「母は私の人生の最高の未来」幸せに暮らすダウン症の親子

321日は「世界ダウン症の日」です。ダウン症の人々のほとんどに21番目の染色体が3本みられることから、国連は2012年、3月21日を世界ダウン症の日として定めました。

20年以上前のことです。米国カリフォルニア州のパティ・ホワイトは、娘のリサから「ママはおばあちゃんになるよ」というメッセージを受け取りました。パティは驚きましたが、娘の決断を受け入れ、サポートすることを決めました。それは当たり前のことのように聞こえますが、彼らにとっては当たり前のことではありませんでした。リサとリサのパートナーがダウン症だったためです。

ダウン症候群は、様々な程度の身体的および精神的な発達の遅延と障害がみられる遺伝性の染色体異常です。しかし、ダウン症の人の多くは、自分のことは自分ででき、仕事を持ち、自立した生活を送ることができます。

ダウン症のカップルが子どもをもつことは非常に珍しいと言われます。ダウン症をもつ男性の多くは生殖能力がなく、ダウン症を持つ女性が妊娠した場合も流産する確率が高いためです。そして、ダウン症の両親から生まれる子どもがダウン症になるリスクは他のカップルよりもかなり高いこともわかっています

リサは18歳の時に家をでて、仕事をもち、自立した生活を送っていました。そして、リサが29歳の時に当時24歳のボーイフレンドと出会い、すぐに真剣な交際を始めました。彼もまたダウン症でした。そして、リサは妊娠し、出産することを決断し、母親のパティに連絡したのです。かつて助産師として働いていたパティは娘の決断を全面的に支持しました。

リサは予定日よりも4週早くに息子ニックを出産しました。ニックは両親と同じくダウン症でした。

それから20年以上の月日が流れました。現在、リサは54歳、ニックは24歳です。ニックの父親は早くに亡くなり、ニックはリサとパティに育てられました。ニックは母リサのことをこう語っています「私の母リサは私の人生で最高の未来です。彼女は私に命を与え、愛を与え、私を産み育て、私に特別なニーズを与えてくれました。彼女はいつも素晴らしく、美しい人です」

ニックは人生を楽しんでおり、母親と祖母も彼を誇らしく思っています。

子どもを産むというリサの決断は、関係のない外部の人から無責任で利己的だと批判されました。多くの人が彼女に母親としての能力があるのかと疑問を抱き、それを口にしたそうです。また、リサは子どもがダウン症になるリスクが高いことをなんども指摘されましたが、リサ自身はそれの何が悪いのか理解に苦しむと言います。助産師の母のもとで育ったリサにとって、子どもを産み、育てることは人生の喜びと感じられたのです。

もちろん、子どもを持つことは周囲の人全員を巻き込み、大きな責任を伴うことです。しかし、ダウン症の人だけでなく、誰にとっても、子どもが産むか産まないかという決断は個人的なもの。関係のない人が決めていいことではありません。

リサ、ニック、そしてパティを知る人なら誰でも、彼らが間違いなく正しい決断をしたことがわかるでしょう。

モデルとして活躍するダウン症の少年の記事32年間マクドナルドで模範的従業員として働いたダウン症男性の記事も併せてご覧ください。

プレビュー画像: ©Facebook/Patti White

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