ちえとくをフォローする

すごい人たち

9歳と7歳の少年がアマゾンの森で迷子に!27日間を2人だけで生き抜く

おそらく誰もが、迷子になった経験があるでしょう。自分がどこにいるのか分からず、どうやって戻ればいいのかわからないというのは子どもにとっては恐ろしい体験です。しかし、グレイソンとグラウコンという名の2人の少年が南米で体験したことは、想像を超える試練でした。

鳥を探して迷子に

グレイソンとグラウコンは9歳と7歳の兄弟。ブラジルの熱帯雨林の真ん中にあるラゴ・ド・カパナン・グランデ保護区で両親と暮らしていました。

2022年2月18日、彼らは鳥を探しに出かけ、悪夢に遭遇します。どこまでも続く熱帯雨林のなかで迷子になったのです。何も持たずに。

大規模な捜索…しかしなんの手がかりもなく

失踪に気づいた両親、近隣住民や救急隊員、何百人もの協力者が何週間も地域を歩き回り、捜索しましたが、手がかりすらつかめません。

数週間後、生存がほぼ絶望的となったため、捜索活動は中止されました。2人の少年の両親は、息子たちにはもう会えないかもしれないという辛い運命を受け入れざるを得ませんでした。

生き延びた2人

一方、グライソンとグラウコンは、2人だけでこの緑色の地獄で戦い続けていました。彼らが幸運だったのは、季節が雨季であったこと。雨水や川の水で渇きを癒すことができたのです。しかし、食料を探すのは至難の業です。

ソルバの実

2人の少年は、森でみつけた野生の果物を食べて命をつないでいました。その果実とはクーマ・ユティリス、別名「ソルバ」。家族でよく食べていたので、2人はソルバが食べられるということをよく知っていたのです。

ソルバは脂肪と炭水化物の豊富な果物。もしソルバの季節でなければ、彼らは未知の植物を食べていたでしょう。中毒になった場合、生存の可能性は極めて低かったと考えられます。また、もし食べるものが見つからなければ、歩き続ける気力はなかったでしょう。

それから4週間後の3月15日、子どもたちは木こりのチェーンソーの音を聞きました。兄のグラウコンが叫ぶと、木こりの男性は兄弟がそこにいることに気づきました。そして、2人を見つけ、森から連れ出してくれました。

病院から病院へ

兄弟はまずマニコレの病院に運ばれ、その後ヘリコプターでブラジルのアマゾナス州都マナウスの設備の整った病院に運ばれました。2人は重度の栄養失調で痩せこけて脱水症状を起こし、皮膚は擦り傷だらけでした。

小児科のタバレス医師はこう説明しました。「状態は深刻ですが安定しています。食事も可能ですが、今はまだ液状のものを食べ、その後、ペーストにしていきます。家に帰れるようになるには、失った体重の少なくとも50パーセントを増やす必要があります」

辛い旅の終わり

もちろん最も重要なことは、2人が生き残ったことです。両親はもうすぐ息子たちと再び一緒に暮らせることに歓喜しています。

まだ10歳にもならない2人の少年が、アマゾンの熱帯雨林で1カ月近くも孤独に生き抜いたことは奇跡です。特にお兄ちゃんのグライソンは疲れ切った弟のグラウコンをおぶって歩いたそう。どれだけ辛かったでしょう。二人とも元気に回復して、もう二度と迷子になりませんように。

海底で62時間生き延びたナイジェリア人船員の奇跡の生還ストーリーも併せてご覧ください。

出典:ladbible
プレビュー画像:©Facebook/RevistaAlDiaSantoDomingo