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【十つ子誕生!でもなんだか怪しい】祝福ムードから疑惑へ…夫が「寄付しないで」と呼びかけ

双子に出会う機会はあっても、三つ子、四つ子となるとなかなか出会うことはありません。まして五つ子以上となると、一生のうちに出会えるかどうか。多胎出産はお腹の子供の数が多ければ多いほど、非常に珍しい確率となるのです。

今年5月、西アフリカのマリの女性が世界最多の九つ子を出産したことが世界的なニュースとなりましたが、それから1月も経たないうちに、記録が更新されるかもしれないというニュースが世界を駆け巡りました。

南アフリカ在住のゴシアメ・タマラ・シトール(37歳)が今年67日、ハウテン州のプレトリアの病院で、「十つ子」を出産したと地元紙プレトリア・ニュースが報じたのです。生まれた子供全員が無事に成長すれば、多胎児の世界記録更新。

地元はお祝いムードに沸き、十つ子の赤ちゃんのための寄付が殺到、プレトリア・ニュースを発行するメディア企業の会長も、約780万円相当の寄付をしました。

しかし、事態はその後、思わぬ展開に…祝福ムードは一転、疑惑に満ちたものへと変わっていくのです。

疑惑の始まりは、十つ子出産を報じたプレトリア・ニュースに母親が出産した病院名を明かさなかったことにありました。これといった十つ子出産の証拠はなく、母ゴシアメの供述と報告だけ。ハウテン州行政も出産を確認することができず、地元の病院が続々と「うちには入院していない」と発表する事態となります。

市の職員が母親と十つ子の安否の確認をしようとしますが、母親と10人の赤ちゃんは忽然を姿を消してしまい、面会することはできませんでした。

ゴシアメの夫であり十つ子の父親とされるテボホ・ツォテツィにも、彼女と子供たちの行方は分からないまま。

出産には立ち会っておらず、妻から十つ子出産の報告を受け、「私は幸せです。感動のあまり言葉もありません」と出産直後の取材に応じていたテボホですが、産後の妻と子供には未だに面会ができておらず数回のWhatsAppメッセージや電話で話しただけ。

妻子の居場所が分からない状況にあり、出産直後の妻と生後間もない子供達の身を案じる一方で、妻の不自然な行動に対する不信感も芽生えます。十つ子出産した直後に子供とともに疾走…通常、母体の回復力を考慮すると複数の協力者がいないかぎり不可能です。

「妻は本当に十つ子を出産したのだろうか?なぜ居場所を教えてくれないのか…もしかしたら妻は嘘をついているのではないか?」募る一方の疑惑。

10つ子の出産発表から1週間後、テボホは妻子の失踪届を出すとともに、テボホはついに家族を代表して声明を出します。

「ゴシアメが見つかり、赤ちゃんの誕生が確認されるまで、家族への寄付を中止していただくようお願いします。十つ子への皆様の暖かいご支援には大変感謝していますが、出産の証拠が得られない現在、10つ子出産は事実では可能性が考えられます。私たちは現在、ゴシアメを懸命に捜索しており、彼女が無事に戻ってくるよう願っています」

6月17日早朝、ゴシアメはソーシャルワーカーによって発見され、警察に保護されました。

出産したとされる赤ちゃんはおらず、精神衛生法に基づき入院し精神鑑定を受けることになりました。

その後の病院関係者による検査の結果、ゴシアメが最近出産したという形跡はなく、妊娠していた痕跡も認められなかったことが明らかにされました。

十つ子出産は狂言であったことが確かとなりましたが、なぜそのような嘘をついたのか真相は謎のままです。引き続き、ゴシアメは医師の観察下に置かれる予定です。

十つ子出産という多胎最多記録に沸いたものの、蓋を開ければ予想外の真相があった今回の一件。出産前の取材に対して、ゴシアメのはどのような心境でお腹を膨らませて応じていたのでしょうか。彼女の精神状態が気がかりです。政府は今後もゴシアメへの支援を続けていくとのことです。

プレビュー画像: ©Facebook/Njerū Njagī Wamūgūnda