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アンビリーバボー

再生回数稼ぎのために飛行機を墜落させたユーチューバーの末路

トレバー・ジェイコブ(28)は2014年に冬季オリンピックのスノーボード米国代表になったアスリートで、元航空機パイロット、現在はユーチューバーとして活動しています。

事の経緯

2021年12月、トレバーは亡くなった友人の遺灰をシエラネバダ山脈に散骨しようと考えました。ロンポック空港を離陸し、北東に飛行、国有林を横切ったところで、問題が発生しました。

©YouTube/TrevorJacob

エンジンが突然止まり、飛行機は広大な森林地帯を無動力で滑空。この危機的状況に彼は、シートベルトを外し、飛行機から飛び降りました。幸いパラシュートを装着していたので、空き地に着陸することができ、軽傷を負った以外に怪我はありませんでした。

©YouTube/TrevorJacob

彼の乗っていた飛行機はそのまま山に向かってスピードを上げ、荒野に墜落。彼はこの現場まで歩き、周辺を調査しています。

それから、日暮れまで何時間も砂漠地帯を歩き、喉がカラカラになりますが、ようやく水を見つけ、人にも会うことができました。

なんとも恐ろしい体験です。そしてなんという強運でしょう。

トレバーはこの緊張の体験の一部始終を撮影しており、自身のYoutubeチャンネルに「操縦していた飛行機が不具合を起こし、パラシュートで脱出」という動画を投稿しました。投稿された動画はこちらでご覧いただけます。

悲惨な体験か?フェイクか?

2021年末に公開され、現在までに200万回以上再生されているトレバーの動画に対する反応は、彼が期待していたものとは違いました。

再生数が増えるごとに、この事故がクリック数と注目を集めるためのフェイクではないかという疑惑の声が次々に視聴者からあがったのです。特に飛行機に詳しい人たちが数々の矛盾に気づき、指摘しはじめました。

©YouTube/TrevorJacob

いくつも浮かび上がる不審な点

トレバーは動画の中で「落下の危険があるから、いつもパラシュートを装着している」と主張しています。しかし、彼のチャンネルの他の動画ではパラシュートなしで操縦しています。なによりもパラシュートを装着したまま飛行機を操縦するのは、それほど簡単なことではありません。

他にも不審な点はあります。通常、飛行中に問題が発生した場合は航空管制塔へ緊急連絡をすべきですが、彼は今回の事故に際して航空管制塔への緊急通報を行っていません。また、周辺には緊急で着陸できる地点がいくつかあったにもかかわらず、彼は安全な着陸場所を探そうともしませんでした。

©YouTube/TrevorJacob

さらに、高画質カメラが数台装備されていたのも都合がよすぎると指摘されています。機内にコックピットカメラがつけられているだけでなく、飛行機の外側にも左翼の先端と昇降舵にそれぞれ1台ずつのカメラが取り付けられており、墜落の様子が鮮明に映し出されています。

なによりも、普通はこれほどの緊急事態のなか、1刻1秒を撮影しようとは思わないはずです。しかし、トレバーはパラシュートで降りている間も自撮り棒を使い、撮影を続けているのです。

©YouTube/TrevorJacob

連邦航空局はヤラセと判断

この動画が大きな注目を浴び、おそらく複数の視聴者からこの動画を調査するように依頼があったのでしょう。米国の連邦航空局が正式にこの動画を調査し、トレバーのパイロット免許は取り消されることになりました。当局は、彼が故意に飛行機を墜落させたと結論づけたのです。

トレバー自身は、自作自演の墜落であることを否定しています。また、彼は、このビデオがこれほど注目されたことに驚いていると述べています。

いずれにせよ、このユーチューバーは、少なくとも1年間は新たなパイロット免許を申請することができません。

©YouTube/TrevorJacob

トレバーを筆頭に、再生回数を稼ぐために過激な行動や自作自演に走るYouTuberたちは結局炎上して破綻してしまいます。子どもたちの夢の職業ですが、現実はなかなか厳しいようです。

出典: ladbible
プレビュー画像:©YouTube/TrevorJacob