えらい
舞台挨拶で「体調が悪い」と言い出した俳優 しかし隣の吉永小百合の反応に劇場中が釘付けになった
映画の舞台挨拶では、映画に出演した役者や監督が一堂に介し、作品に込めた思いや意気込みを観客の前で語ってくれます。
観客も、憧れのスターやクリエイターに会えるとだけあって、大きな熱気が生み出されるのも舞台挨拶の特徴。
それだけに段取りも抜かりなく、しっかりと進行させなければなりませんよね。
今回紹介するのも、とある映画の舞台挨拶で起きた一幕です。
2021年5月に公開された映画「いのちの停車場」の舞台挨拶の日でした。映画に出演した吉永小百合さん、西田敏行さんらのベテラン俳優と、広瀬すずさん、松坂桃李さんら人気若手俳優が一堂に介し、大変華やかな顔ぶれで行われていたその舞台挨拶。
コロナ禍とあって、このような晴れ舞台に参加できることに、出演者のみなさんや、それを見守る方々は喜びを感じていたのではないでしょうか。
しかし、ある想定外のことが起きるのです。
「ちょっと体調がおかしいみたいなのですが…」
コメントを求められた際、そう口を開いたのは、俳優のみなみらんぼうさん(76)でした。
実は冒頭の挨拶でも、途中で声が出なくなるというアクシデントに見舞われていました。その日は体調が優れなかったのでしょう。
想定外のことに、司会者もどうして良いか分からずたじろいでしまっていると、意外な人物が横からスッと近づいてきたのです。
実際にその動画をご覧ください!
なんということでしょう。
どのスタッフよりも真っ先にらんぼうさんの元へ駆けつけ、体を支え始めたのは他でもない、大女優の吉永小百合さんだったのです。
「座って…めまいがする?…そっちへ行ったほうがいい?」
マイクは、吉永さんがらんぼうさんの体調を気遣って、小声でらんぼうさんやスタッフとやりとりを交わす音声もしっかりとキャッチしていました。
最終的に、スタッフに支えられながらも舞台袖へと戻っていったらんぼうさん。
会場に緊張感が漂う中…ある別の人物が、沈黙を破りました。
「らんぼうさんがお歌いになっている歌が今度、発売されます。本当に素晴らしい味わいのある歌を歌ってらっしゃいます。聞いてるとアルファ波が出て、だいたい3曲目で寝落ちします」
そう言って会場を笑わせたのは俳優の西田敏行さんでした。まるでらんぼうさん不在の穴を埋めるかのように、ユーモアでさっと場の緊張をほぐしたのです。
らんぼうさんは軽い貧血を起こしていただけでさいわい大事には至らず、その後のフォトセッションでは笑顔で舞台に復帰し、ことなきを得た今回の舞台挨拶。
しかし、会場でこの光景を目撃した人は、ベテランの俳優がなぜベテランと呼ばれるのか、その理由を少し垣間見たような気持ちになったのではないでしょうか。
自ら率先して予想外の出来事に対処したり、場の空気を和ませたり…数多くの現場をくぐり抜けた俳優は、確かな演技力や華やかな容姿以上に、人間としての力が誰よりも鍛えられているのかもしれません。
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