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おもしろ・びっくり

古代ローマ要塞遺跡から下品な悪口が書かれた石が発見される

歴史を通じて人々は「落書き」をしてきたようです。

英国で発見された古代ローマの要塞遺跡から卑猥な彫刻と悪口が刻まれた石板が発見されました。発見したニューカッスル大学の考古学者と、英国の遺跡保存機関ヒストリック・イングランドの職員は、古代人が遺した下品な遺産に驚いています。

英国ノーサンバーランド州には、かつてローマ帝国の要塞ヴィンドランダがありました。現在、そこでは歴史的な発掘調査が行われています。

Secundinus cacatorとは?

その遺跡で幅40センチ、高さ15センチほどの長方形の石板が発見されました。石版にはくっきりと彫り込まれた男性の「いちもつ」の彫刻と「Secundinus cacator」というラテン語が刻まれています。

Secundinus cacatorとは「セクンディヌスのウンコたれ」という意味。考古学者たちは、セクンディヌスは人名で、この「いちもつ」の彫刻は彼への侮辱を強化するために彫られたものだと考えています。

発掘責任者のアンドリュー・バーリー氏は「この石板の作者はセクンディヌスという人物と対立していたようだ」と述べています。

恨みは深かった?

この落書きは紀元207年頃にローマ兵によって残されたと考えられています。

ローマ帝国の遺産にケチをつけたくはありませんが、「ウンコたれ」とは小学生レベルの悪口。しかし、この作者の恨みは相当深かったのではないでしょうか。マジックペンでトイレのドアに落書きするのとは気合いが違います。時間をかけてハンマーとノミで恨みを石に叩き込んだのですから。(しかも、ウンコといちもつ)

まさか、その気合いのおかげで1800年後にこんなふうに晒されるとは作者は想像もしなかったでしょう。

この落書きについて、バーリー氏は「セクンディヌスはよい気分ではなかったでしょう」とコメントしています(真面目にコメントするバーリー氏にも頭が下がります)。

石板は相手を貶めるために人目につくところに置かれたのかもしれません。今のネットいじめのようなことがローマ帝国でも行われていたのでしょうか。古代から人間のやることはあまり進化していないようですね。

出典:slate
プレビュー画像:© Facebook/Ancient Origins