虐待され車内に放置された犬、ネットの呼びかけで救われる

パリの10区にあるルイ・ブラン駅近く。帰宅途中だったテス・ディロウヤとモルガン・ルーカスは、路上に停めてあったバンの中に一匹の犬を発見しました。 アメリカン・スタッフォードシャー・テリア犬です。春の日差しが強く照りつける中、可哀想なことに車の助手席に放置されいました。

テサとモルガンは、バンに近づいてみました。犬は暑いのかお腹がすいているのか、力なさそうに座っているだけで2人が近づいてもあまり反応しませんでした。犬の頭と体には傷が沢山あることに気がついき、何だか不穏な気持ちになりました。窓には小さな隙間が開けられていましたが、車内の空気もきっと悪いに違いありません。どうしてこんなひどい状態で犬が放置されているのか、2人は気になったといいます。

Facebook_Wanted#Bons_Plans

テサとモルガンはとりあえず家に帰りましたが、その後も犬のことが心配になって夜に何度もバンを確認しにいきました。犬は相変わらずバンの中に閉じ込めらてたままでした。窓の隙間から少しだけ食べ物をねじ込んでやることに成功しましたが、水はあげることができません。暫く考えた後、近くにある警察署に行くことにしました。しかし現場に行って確認して欲しいと訴えても、許可無しでは出動することはできないと言われてしまいます。

Facebook_Wanted#Bons_Plans

警察が助けてくれないのであればと、テスとモルガンはあることを思いつきます。犬の写真を撮って 情報交換の場として人気を集めているFacebook グループ 「WANTED#bons plans」 のウォールにその写真を投稿したのです。6万人のメンバーを抱えるグループに写真を載せれば、必ず誰かが反応するだろうと考えたのです。そして数分も経たないうちに、テスの投稿に100件以上のコメントがつきました。そのなかに、虐待された動物の保護活動を行なっている「Giapa」という団体からのメッセージがありました。この「Giapa」を通して再び警察へ通報がいき、投稿を見た人々によってルイ・ブラン駅と警察署への電話が殺到。大勢の人々の働き掛けにより、警察がやっと動きました。現場に駆けつけた警察官がバンの窓を割り、犬に首輪をかけてそっと降ろしてやりました。

Facebook_Wanted#Bons_Plans

犬は瀕死の状態でした。体中には切り傷やかみ傷が目立ち、やせ細り、目に光がありませんでした。動きも鈍く、足も折れていました。バンから出された途端、犬は長い時間をかけて用を足したそうです。長い間バンの中に閉じ込められていたにも関わらず、車内で用を足した痕跡が無かったことに皆が驚きました

Facebook_Wanted#Bons_Plans

ウォンテッド(WANTED)と名付けられたこの犬は、警察署で一晩過ごした後に Giapa のシェルターへと移されました。折れた足は感染症に冒され壊死が進んでいたため切断しなくてはなりませんでしたが、ウォンテッドは命を取り留めました。医療費はテサとモルガンが支払いました。ウォンテッドの為に始めたネット上の募金活動で6000ユーロも集めていたのです。

Facebook_LeChienWanted 

Facebook_LeChienWanted

このような話を聞く度にネットの力に驚かされます。ネットを使えば、多くの人に情報を発信することができます。多くの人が集まれば大きな力になり、少人数では無理なことでも実現・解決したり、変えることができます。こうして1匹の犬の命が救われました。ウォンテッドの飼い主は今も捕まっていないそうですが、ウォンテッドにとってはすでに過去のこと。見違えるほど元気になったウォンテッドは、今新しい家族を探しているそうです。素敵な飼い主が見つかるといいですね。

コメント

おすすめの記事