ジーンとくる話
閉ざされた棺の匂いを嗅ぐ馬。中の人物に気づいたときの反応が、参列者の涙を誘う。
ブラジル、パライバ州出身のワグナー・リマは、大晦日の晩に交通事故によって34歳の若さで亡くなりました。一週間後の葬儀の場には、ワグナーにとって大切な存在だった愛馬「セレーノ」の姿がありました。
このグレーまだら模様の雄馬を葬儀に連れてきたのは、ワグナーの兄弟ワンドでした。
「馬は彼の全てでした。セレーノもまるで何が起きたのか理解しているようで、別れの挨拶をしたがっているかのようでした」ワンドは語ります。
セレーノはワグナーの棺が横たわる霊柩車に近寄ると、棺に鼻を近づけて匂いを嗅ぎました。
そして次の瞬間、その大きな頭をそっと優しく棺の上にすり寄せるようにして乗せたのです。
ワグナーとセレーノの固く結ばれた絆を知っている哀悼者達は、主人の死を悼む愛馬の姿に涙しました。墓地までの最後の行進の間、セレーノは静かに鼻を鳴らしていたといいます。
セレーノは葬儀の後、ワンドに引き取られたそうです。
このエピソードを紹介した動画はこちらから視聴できます。(音声は英語のみ)
飼い主と強く結ばれた馬の姿が胸を打ちます。動物がいかに感情豊かで物事を理解できるかを改めて気づかせてくれるエピソードです。
