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えらい

顔にひどい火傷を負ったベトナム人男性が夢を叶えてカフェをオープン

注)幼少期に重度の火傷を負った青年が、懸命に前向きに生きるエピソードです。記事内には火傷跡の画像が含まれます。

晴れた日にカフェでお茶とケーキを楽しむ時間はまさに癒しのひととき。いつかは自分のお店を持ちたいという夢を持つ人も多いかもしれません。

ベトナムのコンタム市に住む27歳のゴ・クイ・ハイさんもそんな夢をもつ一人でした。そして、彼は数々の困難を乗り越えて夢を実現し、現在、サンハウスコーヒーというカフェを経営しています。

©Facebook/Việt Nam News

ハイさんは幼児期にひどい事故に遭いました。ベビーウォーカーで薪ストーブに顔から転落してしまったのです。

顔や体に大やけどを負い、サイゴン小児病院で2年間治療を受けます。しかし、顔には深い傷跡が残り、ケロイドは一生消えることはありません。

学校では、その容姿のためにひどいイジメを受けました。そんななか、彼はたった一人の友達を見つけました。その友達は聴覚に障がいを持つ男の子でした。

10歳のとき、隣町に遊びに行った2人は豪華なケーキ屋の前を通りかかります。美しいケーキを食べてみたい!そう考えた2人はなけなしのお小遣いを貯めて、その店でケーキを買おうと計画します。

ケーキを買えるだけのお金をためるのには何ヵ月もかかりました。遂に迎えたその日は、ハイさんの友人の誕生日。いざ誕生日ケーキを選ぼうと興奮してケーキ屋に入った2人を待ち構えていのは辛い仕打ちでした。警備員と店員に店から追い出されてしまったのです。

「彼らは、障がいがあって汚い服を着た私たちが十分なお金を持っているとは思わず、私と友人を追い払ったのです」とハイさんは屈辱的な体験を振り返ります。

その日、友人がどれだけ泣いたか、ハイさんは今でも鮮明に覚えています。「本当に嫌な思い出です。でも、あの日、自分が何をしたいのかがわかったんです。自分のカフェを開きたい。美味しくて美しいケーキを焼いて、すべての人を歓迎したい。金持ちも貧乏人も、障がいがあってもなくても誰でも私のカフェに座れるようにね」

しかし、成長し、辛い経験を重ねるにつれ、ハイさんは夢の実現はとうてい困難だと考えるようになります。さまざまな挫折を経験した彼は、15歳から2年以上の間、家の中に引きこもる生活を続けました。

2016年、ある慈善団体の助けによりハイさんはドイツに渡り、顔の再建治療を受けることができました。

術後、彼は21日間、昏睡状態に陥りましたが、手術は成功。顔の状態は以前よりよくなりました。さらに、病院スタッフの温かい対応、そして、自分よりももっとひどい火傷を負って手術を受ける人々の姿に、彼の人生観は大きく変わったと言います。自分の将来を前向きに考える勇気と希望が湧いてきたのです。

©Facebook/Việt Nam News

帰国後、ハイさんは首都ハノイで調理師になるための職業訓練センターに入学します。10歳の頃からの夢を叶える決心を固めたのです。そして、その学校で初めて、クラスメートから認められ、尊敬されることを経験しました。

無事に学位を取得した後、ハイさんは故郷に戻り、長年の夢である自分のカフェベーカリー「サンハウスコーヒー」をオープンさせました。

彼のカフェでは困っている子どもたちが無料で食事ができる日を企画したり、ギター音楽で子どもたちを楽しませています。10歳の時の辛い経験をともにした大切な幼なじみも頻繁にカフェを訪れてくれるそうです。

©Facebook/Việt Nam News

ハイさんのストーリーはこちらの動画でご覧いただけます(英語字幕付き)。

「人はどんな苦難に直面するかわかりません。でも、小さな努力を重ねていけば成功を手に入れることができます。恐れずに受け入れて、立ち向かっていくしかないのです。僕がそうしたように」と彼は語っています。

辛い経験を重ねても夢をあきらめなかった彼の言葉には説得力があります。10歳の自分との約束を果たしたハイさん、本当に素敵ですね!

出典:theepochtimes
プレビュー画像:© Facebook/Việt Nam News