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生後2週間の娘の手に、父は金属の重りを付けようとした。10年後、成長した彼女の姿に世間は憤慨した。

15年前、ウクライナの都市クルィヴィーイ・リーフの警察は極めて稀な事件の捜査を進めていました。警察に通報した市の児童保護団体の職員たちは、地元のウェイトリフティング選手ユーリ・アクロフが娘を「ミュータント(突然変異体)」に変えようとしていると、その虐待的な行為を糾弾したのです。

ユーリイの娘ヴァルヴァラは一見普通の10歳の女の子でした。しかし、一つだけ大きな違いがありました。ヴァルヴァラは信じられないほどの怪力の持ち主だったのです。

ヴァルヴァラは4歳の頃からすでにウェイトリフティングの大会に参加し、その数年後には100キロを持ち上げ世界記録を更新しています。

父親のユーリは常日頃から娘にウェイトリフティングの世界チャンピオンになってほしいと願っていました。生後わずか2週間目から、新生児の娘の手にナッツやボルトを縛り付けトレーニングを開始、ヴァルヴァラが公式に世界で最も強い少女として認められると、両親は娘のタイトルをひっさげてファミリーショービジネスを始めました。

ヴァルヴァラの名声は瞬く間に広がりました。観衆は嬉々として入場料を払い、小さな女の子がダンベルを持ち上げる様子や、両親を背負う様子に感嘆しました。

   

ヴァルヴァラはその驚異的な逞しさにもかかわらず、不思議なことに一見普通の女の子と変わりない体格をしていたため、ヴァルヴァラの強靭な力は一体のようにして発揮されるのかについてさまざまな憶測を呼びました。中には「怪奇人間ショー」として金儲けのため、娘を突然変異体に改造しようとしているとして両親を非難する声も少なからずありました。

ヴァルヴァラ家族とそのショービジネスへの警察の捜査は12年以上にも及びました。捜査期間中もヴァルヴァラは世界各国を巡りながら「ヘラクレスガール」として世界中で名声を博し、13歳で200キロ以上のリフティングに成功して二度目の世界記録を達成しています。

長期間に渡る捜査の後、最終的に警察はユーリと妻のラリスのヴァルヴァラへの扱いは特に問題に触れることはないとの結論を下します。夫妻の娘は健康的で幸福であり、ファミリーショービジネスと数多くのウェイトリフティングの大会に参加しながらも、学校での成績は優秀である、との判断からでした。

しかしその華々しい名声にもかかわらず、学業修了後ヴァルヴァラはウェイトリフティングのキャリアを終了しています。現在25歳の彼女は、フィットネストレーナーとして働いています。その姿からは、かつて世界最強の少女であったことは想像できないかもしれません。

「ヘラクレスガール」の栄光を覚えている人々は現在のヴァルヴァラがいかに「普通」に見えるかに驚くそうです。信じがたいほどの重量を持ち上げていた少女時代からはすでに長い年月が過ぎ、ヴァルヴァラにとって全ては過去のものなのです。

もうあのような注目を集めることは懲り懲りだそうで、今は仕事に打ち込みながら、ごく普通の人生を満喫したいそうです。ヴァルヴァラの子供時代の名声は彼女の未来に暗い影を落とすことはなかったようですね。ヴァルヴァラの将来が彼女にとって素晴らしいものでありますように!