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ジーンとくる話

【馬の命を救った13歳】少年の勇気ある行動が馬を絶体絶命のピンチから救う

イギリス在住のキャメロン・マーティン。馬が大好きで乗馬に夢中な13歳のキャメロンは、毎日のように母の友人夫婦が経営する牧場を訪れては、お気に入りの馬と放牧場を散歩するのが日課でした。しかし2020年8月13日、思いもよらぬ出来事が起こります…

その日もいつものように馬やポニーに会いに牧場へとやって来たキャメロンはあることに気がつきました。ドミノと名付けられた馬の姿がないのです。キャメロンは不審に思い周囲を探しましたが、見つかりません。もしかしたら放牧場を取り囲む堀に落ちたのかもしれない…そう思い堀の中を除いたキャメロンは愕然としました。

©Twitter/MyHappy Radio

堀の水の中にドミノが落ちていたのです。なんとかして堀から抜け出そうとしているものの、うっそうと生茂る葦(あし)に阻まれ、もがけばもがくほどドミノは徐々に水中に沈んでいきます。

迷うことなくキャメロンは堀の中に飛び降り、ドミノの救出に向かいました。夏にも関わらず堀の中の水は凍えるように冷たく、急速に体温を奪いました。ドミノが溺れることのないよう、重たい頭部をキャメロンは懸命に支えました。

「ひとりになりたくて、隠れたりすることもあったけど、このときばかりは早く誰かに見つけてほしいと強く願ったよ」とキャメロンは当時を振り返り語ります。

ちょうどその頃、牧場の経営主ターニャ・スミスは、姿を消したきりいつまで経っても戻ってこないキャメロンを心配していました。夫と一緒に牧場内を周りキャメロンを探しながら放牧場に差し掛かると、遠くにキャメロンの姿が見えました。

「遠くでキャメロンが大きな身振り手振りで何かを訴えては、何度も繰り返し水の中に飛び込むのが見えました。あまりにも奇妙な光景でした」

©Facebook/Tanya Docwra Smith

キャメロンの行動を不審に思いながらも近づいた二人は事態を把握するやいなや、すぐに助けを要請。まもなくトラクターが現場に到着し、ようやくドミノは冷たい水中から救出されました。

発見から救出まで、キャメロンは1時間以上もドミノの頭が水中から出るように支え続けました。

「キャメロンのおかげドミノは助かりました。大人でも彼と同じことをする勇気はなかなかありません」と語るターニャ。ドミノの飼い主ポール・ウィリアムズは愛馬を救ったキャメロンに感謝し「小さなヒーロー」と讃えています。

©Facebook/Tanya Docwra Smith

冷たい水の中に浸かり、脚を1本負傷しすっかり怯えていたドミノですが、救出後すぐに温かいシャワーとマッサージのおかげで心身ともに回復することができたようです。一方、キャメロンも体温低下により救出活動後、帰宅するとそのまま眠り込んでしまったとか。

「すごく疲れていて、あの後は24時間ずっと眠り続けたよ。それから5時間だけ起きてて、また22時間眠ったんだ」

ドミノ救出の様子を捉えた映像はこちらからご覧いただけます:

今回の出来事によって、少年と馬の間に特別な絆が芽生えたようです。以来、キャメロンが放牧場を訪れるたびにドミノは嬉しそうに嘶いて彼を歓迎しているとか。少年の勇気ある行動が救った1頭の馬の命。無事に救出することができて何よりでした。

動物救出シリーズ、【犬だよね?】凍りついた川から犬らしき動物を救出した男たちも是非ご覧ください。

 

プレビュー画像: ©Facebook/Tanya Docwra Smith