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ジーンとくる話

動物保護施設でペットを選ぶことになった少年は、最も年老いた犬を飼うことにした

ペットにする動物を選んでもいいよ、と言われたらどんな子供も大喜びするはずです。長い間ずっと犬が飼いたくて仕方なかったアメリカ在住の9歳のトリスタン・レースは、ついにこの日、小型犬をもらいに行くことになります。

母と一緒に動物保護施設に向かったトリスタンは、たくさん抱っこできる犬が欲しいと職員に伝えました。職員は少し考えてから、1匹の犬のことをトリスタンに伝えます。犬の名はシェイ、特別なサポートを必要としている犬でした。

小型プードルのシェイは、4ヶ月前に前の飼い主に連れられてこの施設にやってきました。引越し先にシェイを連れて行きたくないと言うのです。引き取った保護施設の職員は、シェイを見るなり、これまで1度も獣医の診察を受けたことがなかったのだろうと見当がついたと言います。両眼の視力をほぼ失っており、歯はすべて根元から腐っていました。

施設職員はシェイを獣医の元に連れて行きましたが、歯も視力も回復の見込みはありませんでした。およそ14歳になるとみられるシェイはまた、聴力も完全に失っていました。里親を見つけるのはおそらく至難の業だと言うことは誰の目にも明らかでした。

しかしトリスタンに初めて出会ったこの日、シェイはなにか繋がりのようなものを感じたのか、少年の膝の上にじっと座り動こうとしなかったのです。トリスタンに顔をすり寄せ、撫でられるのも嫌がりませんでした。

「シェイはすごくかわいくて、とても人懐こい子ですよ」性格の良さは施設職員のお墨付き。トリスタンの心は決まっていました。

でもシェイを飼うのは若くて健康な犬を飼うのとは少し違います。シェイが安全に元気に暮らすには様々な注意が必要でした。トリスタンは施設職員から聞いた注意事項をすべて丁寧に書き出し、きちんと守って飼っています。しばらくしてから様子を見に訪れた職員もトリスタンの徹底ぶりに、安心してシェイを預けられるとホッとしたそうです。

シェイはこうして、温かい家庭を見つけることができました。4ヶ月を施設で過ごしたシェイですが、こんなにかわいがってくれる飼い主に出会えて本当に幸せでしょう。

新たに動物を家族に招き入れるとなると、つい若くて健康な犬や猫と思い込んでしまいますが、施設にたくさんいる年老いて病気の動物も新たな飼い主の愛情を切望しているのです。トリスタンのような引き取り手が増えるといいですね。