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ジョーク

ジョーク: 珍しいペットを自慢する起業家

やり手の起業家として成功を収めた億万長者Aが1頭のゾウを購入しました。しばらくして、起業家のこれまた億万長者の友人Bといつもの会員制クラブに遊びに行きました。この二人はいつもお互いにライバル視しては、どちらがビジネスでより成功するか牽制し合っていました。

「で、最近どうよ?投資の方はうまくいってるの?」早速切り出す友人B。

「いい感じだよ。そういえば、最近ゾウを飼い始めたんだ。」とAは返します。

「は?ゾウ?!なんでまた…?気でも狂ったの?」とB。

©Pixabay/Goumbik

Aはにっこりと笑みを浮かべ、言いました。

「何言ってるんだよ、完全に正気だよ。むしろ、これまでで最高の投資だったんじゃないかな。私有地の雑草を食べてくれるんだよ。ほら、俺の家広いし、土地いっぱいもってるだろ?下手に自動芝刈り機を使ったり、お手伝いさんに頼むよりずっと効率がいいよ。おかげで芝生はいつもは完璧さ!それに子供たちも大喜びで、1日中ゾウの背中に乗ったり鼻から滑り降りたりして遊んでるんだ。前はいつもテレビやゲームばかりしてたのに、大違いさ。妻も俺が家にいないときに重い荷物を運んだり家具を配置換えするのに、力持ちのゾウがいてくれて大助かりだって喜んでるよ。穏やかで、賢くて…最高のペットさ」

©Pixabay/viechfisch

「へえ、そりゃすごいな。それで、いくらでそのゾウを購入したんだ?」Bはすっかり感心した様子で頭を掻きながら尋ねました。

「1億だよ。でも、それ以上に価値のあるいい買い物だったよ。むしろ安すぎたくらいさ」

「1億か…なあ、俺に2億で譲ってくれないか?」とB。

「ええ?!ゾウを君に売れだって?! 何言ってるんだよ、もう家族の一員も同然だぞ」

「じゃあ…3億でどうだ?」と食い下がるB。

「そんなこと言われても…あんな素晴らしいペットを手放すわけにはいかないよ」

「そうか…ならば5億でどうだ?」と畳み掛けるように交渉するB。

 

Bの気迫に押されたのか、Aは少しの間考え込むと、ようやく口を開きました。

「そうか、分かった。そこまで君が言うなら…仕方ないな。でも君だからゾウを譲るんだぞ」

 

数週間後、二人はまた例の会員制クラブに遊びに行きました。しかし、上機嫌なAに比べ、Bは始終苦虫を嚙みつぶしたような顔をしています。

©Pixabay/michael_schueller

「おい、話が違うじゃないか!何が『芝刈り機代わりに完璧』だよ、敷地の植木まで食い尽くされてメチャクチャだぞ! しかも庭や室内のそこら中にウンコをしまくって臭いわ、四六時中トランペットみたいな鳴き声がうるさくて眠れないわで…妻からは『なんて買い物したんだ』と怒られるし、子供たちは怯えてゾウに近寄ろうともしないぞ! 全然言うことを聞かないし、制御不能だよ。ったく、お前の言ってたことと全然違うじゃないか!」

怒りにまかせて一気にまくし立てるBに対し、Aは穏やかな微笑みを浮かべて言いました。

©Pixabay/AndreZan

「おい、しっかりしろよ。君も投資のプロだろ?そんな態度じゃゾウを売ることなんてできないぞ」

 

プレビュー画像: ©Media Partisans