ジョーク
ジョーク: マッチョなバーテンダーとの力比べ
「人を見た目で判断してはいけない」と教わった子供時代、しかしひとたび成人し社会に荒波に揉まれ経験を積むうちに、人柄や品性といった内面は外見に表れることに気づく人も多いのではないでしょうか。第一印象で抱く直感や違和感は的中する…と考える人も少なくはないのでは。
しかし、こちらのバーテンダーの第一印象はどうやら的中しなかったようです。
ベルリンの街角のとあるバーに力自慢のバーテンダーがいました。腕っぷしの強さでは誰にも負けないと自信満々な彼は2000ユーロ賭けて力比べをすることにしました。
まず、バーテンダーがレモンを全力で最後の一滴まで絞り、挑戦者に絞り終えたレモンを手渡します。もし挑戦者がそのレモンから一滴でも絞り出すことができれば、挑戦者の勝ち。2000ユーロを手に入れることができるというわけです。
賭けの噂はたちまち飲み客の間に広がり、ボディビルダーやウエイトリフター、格闘家など腕力に自信のある挑戦者たちが続々と賭けに挑んでは、敗れていきました。
ある日、小柄でメガネをかけたスーツ姿の男性がバーを訪れました。
「賭けに挑戦したいんですけど」男性はか細い声で言いました。
これまでのマッチョな挑戦者たちとはかなり雰囲気の異なる新挑戦者に、バーテンダーは思わず失笑しながらも、全力でレモンをグラスに絞ると彼に渡しました。
それまで喧騒に包まれていたバーは静まり返り、常連客が固唾を飲んで見守る中、その小柄な男性は小さな手にレモンを握り締めました。そして、ギュッと力を込めると、グラスに6滴のレモン汁を絞りだしたのです。
常連客たちは拍手喝采、バーテンダーは約束通り2000ユーロを手渡し、挑戦者を讃えます。
「いやはや…参りました。ところで、どんなお仕事をされてるんですか? ウエイトリフター?…もしかしてアームレスリングの選手とか?」
「いや、違います」小柄な男性はズレたメガネを直しながら答えました。
©Getty Images
「国税庁で税務調査官として働いてます」
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プレビュー画像: ©Media Partisans