えらい
15歳少年が自転車で5歳児を幼児性的虐待者から救出する
遊んでいたはずの子供が忽然と姿を消し帰ってこない。子供が行方不明になることほど両親にとって恐ろしい出来事はないでしょう。今回紹介するのはペンシルバニア州ランカスターで実際に起きた近隣の住民を巻き込み一帯を震撼させた事件です。
5歳の女の子ジョセリンは6月のある日、閑静な自宅周辺で遊んで遊んでいました。しかし最後に目撃されてから5分後、ジョセリンは跡形も残さず忽然と姿を消してしまったのです。
ジョセリンの母親は警察に通報し、まもなく女児行方不明の報に近隣一帯は騒然となりました。
近隣住民の協力のもと、警察や消防隊が一丸となって懸命の捜査がすぐに展開されましたが、何の手がかりも得られませんでした。
近隣に住む15歳のテマール・ボッグスは当時友人と外出しており、異変に気付きました。5歳児行方不明の知らせを受けたテマールは、友人のクリスとともに早速捜査に協力することにしました。そして偶然にも二人は怪しげな車を目撃します。その車は行き当たりばったりに行き止まりの袋小路に入っていったかと思うと、すぐに出てきてはまた別の袋小路に入っていく奇妙な走行を繰り返していたのです。運転手が土地勘に疎いことは明らかであり、まるで周辺一帯から脱出しようとしているかのようでした。
早速少年二人は車を追跡。そして車内の女の子の姿に気付きました。
そっと車に近づいた二人は驚きました。そう、女の子は行方不明写真で見たジョセリンだったのです。
テマールとクリスは車を自転車で追跡します。車の後方や傍らを走行しながら後を追うこと約15分、運転手はすっかりパニックに陥ったようでした。
車を止め、女の子を外に放り出すと急発進して走り去りました。
すっかり怯えきったジョセリンは母親を呼びながらテマールの元へ走り寄りました。少年二人は無事に行方不明の女児を保護することができたのです。
一刻も早くジョセセリンを家族の元に連れ戻すため、テマールは大切な自分の自転車を道路の片隅に置いたまま、捜査本部へと向かいました。
捜査中の消防隊に合流し、ジョセリンを引き渡すと彼女は安堵からテマールにしがみついたそうです。
瞬く間にテマールはランカスターの英雄になりました。ジョセリンの家族や近隣の住民はテマールに感謝に称えましたが、謙虚なテマールは英雄扱いされることは望みませんでした。テマールにとってはごく当たり前のことをしたまでにすぎなかったのです。
のちに犯人は過去に複数の有罪判決を受けた児童性的虐待者であったことが判明しました。テマールの活躍によって犯人は再び獄中へと戻れました。
そして謙虚で控えめなテマールたちに嬉しい出来事が起こりました。二人の少年の活躍を知ったニューヨーク在住の匿名の女性は、テマールとクリスが大学に進学できるよう学費を募るキャンペーンを立ち上げたのです。アメリカの大学の学費は高額なため、二人にとっては願ってもない有難い申し出でした。
こちらから救出劇について報じる地元ニュースを視聴できます。
少年たちの勇気ある行動と状況に応じた咄嗟の判断力が事件を最悪の展開から救いました。今回は犯人が追跡者の姿に観念したケースであったことも幸いでした。市民の勇気が暴力なしに事件を早期解決へと導いた好例と言えるでしょう。
