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18歳の青年がバイク事故により2ヶ月昏睡状態に…彼を目覚めさせた兄の「ある一言」につい笑ってしまう

人間のもつ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のうち、最後まで残る感覚は聴覚です。危篤状態や植物状態、あるいは昏睡状態に陥り反応が見られなくても聴く力は最後まで失われることなく、周囲の物音や音楽、語りかける声を認識することができると言われており、実際に医師によって意識がないと判断された昏睡状態の患者が周囲のやりとりやあ語りかける声を聞いていたという事例はいくつも挙げられています。

事故により2ヶ月もの間昏睡状態にあった台湾の18歳の青年の耳にも、周囲の声はどうやら届いていたようです。

今年7月、台湾北西部に位置する新竹県でバイクを走行中に交通事故に巻き込まれてしまったチウ(邱)青年。衝突による打撃により、右腎臓、肝臓と脾臓に裂傷を負い、腹部骨折により総腸骨動脈から大量出血し内臓器官に深刻なダメージを受け、昏睡状態に陥ってしまいました。

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(画像はイメージです)

搬送先の東元総合医院のシェ・ツンシン(謝宗鑫)医師による6度の緊急手術の甲斐あり、チウ青年の容体を安定させることに成功したものの、依然として深い昏睡状態にあり意識が戻る気配はありませんでした。

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「医療関係者としてできることは全てした、あとはこの青年の生きる意思に賭けるだけだ」とシェ・ツンシン医師はチウ青年の生きようとする力に望みを託すことにしました。それ以来、病室のベッドの側で家族が見守る中、チウ青年の生死をかけた戦いは続きました。

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しかし回復を祈る家族の願いも虚しく、昏睡から2ヶ月が経ってもチウ青年が目覚めることはありませんでした…希望と不安、そして絶望の狭間で家族の心が押しつぶされそうになった昏睡から62日目のある日、思わぬ展開が起こります。

その日、チウ青年の見舞いに訪れた兄がふざけて語りかけたのです。

「おい、お前の好きな大鶏排(台湾の唐揚げ「ダージーパイ」)、俺が食っちゃうぞ」

すると…兄の言葉届いたのでしょうか、チウ青年の脈拍が急上昇、奇跡的に意識が回復したのです。バイタルサインも安定した数値に戻り始めました。

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昏睡状態のチウ青年を呼び覚ましたのは、回復を願う家族のどんな懸命の呼びかけよりも「お前の好物、俺がもらうぞ」の兄の一言だったのです。

チウ青年はその後も順調な回復を遂げ、数週間後には無事に退院することができました。退院後、チウ青年と家族はケーキ持参で病院を訪れ、献身的な治療への感謝を伝えたそうです。

それにしても、昏睡から覚めたきっかけが好物をめぐる兄との一言だとは…兄に好物の大鶏排を取られたくない!という強い思いが彼を生死の淵から一気に生還させたのでしょう。兄と弟の好物を巡る食卓でのせめぎ合い風景が想像できてなんとも微笑ましいエピソード。弟のことを知り尽くした兄ならではの、何気ないようで兄弟愛に溢れた一言ですね。

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大鶏排とは五香粉などのスパイスが効いた大きめサイズの台湾唐揚げで、台湾夜市の定番スナックです。日本でも近年人気が上昇しつつある注目の大鶏排、昏睡中の男性をも目覚めさせるなんてどんなに美味しいのか気になる…なんて人は是非台湾料理店やレシピを検索してお試しください。

プレビュー画像: ©️facebook/Peter Li