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【まさに九死に一生!】石の重りに結び付けられたまま川に投げ捨てられた犬

どんな動物を飼うか、犬種や猫種、性別は?年齢は?…人間はペットを選ぶことができても、ペットは飼い主を選ぶことはできません。残念ながら全てのペットが愛情あふれる飼い主のもとで幸せに暮らすことができるというわけではないのです。ときには飼い主となるべきでない人間に飼われてしまうペットもいるのです。

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ペットを飼うということ、それはつまりペットの一生を責任をもって愛情深く面倒をみるということです。しかし中にはペットの飼育を放棄してしまう無責任な飼い主や、愛情を与えるどころか虐待する非道な飼い主もいます。

英国ノッティンガムシャー州の片田舎にある小さな村、ファーンドンに暮らすジェーン・ハーパーはある日、友人と一緒に散歩を楽しんでいました。地元トレント川沿いを歩いていたジェーンたちは奇妙な物音を耳にします。

音のする方に目を向けると、ジャーマンシェパード犬の頭が水面に浮かんでいました。どうやら溺れかけているようで、頭が浮き沈みしています。迷うことなくジェーンは川に入るとシェパードを岸に引き上げようとしました。

しかしシェパードを引き上げることは予想以上に困難でした。腕をシェパードの体に回して上へと引っ張っても、犬の体は何かに引かれ水中に沈みそうになるのです。よく見ると、首輪に繋がったリーシュが水底にあります。リーシュに結び付けられた何かが犬を水中へと引き込んでいるようでした。

ジェーンはシェパードの頭を水の上に持ち上げ、もう一方の片手でリーシュを手探りで手繰りよせ結び付けられた袋を掴むと、なんとかシェパードとリーシュの重たい袋を岸の岩の上に引き上げました。ぐったりしたままぴくりとも動かないシェパードの姿にジェーンは「もしかしたら手遅れだったのかも…」と不安に襲われました。

「犬がどのくらいの間、川の中にいたのかは分かりません。でも、きっとそう長くは持ちこたえられなかったでしょう」とジェーンは当時を振り返り語ります。

ジェーンの通報により現場に駆け付けた動物保護団体職員は、リーシュに結び付けられていた袋の中身を確認して言葉を失いました。犬の体を水中に引きずり込んでいた物の正体、それは大きな重たい石だったのです。

施設に保護され獣医の診察を受けた結果、マイクロチップが埋め込められていることが判明。チップの個体識別情報により、シェパードの名前は「ベラ」。飼い主として登録されていた人物2名の身元が明らかになり、元飼い主の女性(31歳)と男性(32歳)は動物虐待の容疑により逮捕されました。

現在、ベラは動物病院で徐々に回復しつつあります。食欲も戻り、体力も日に日に増しています。

ジェーンのおかげで九死に一生を得たベラ。今回の恐ろしい体験を乗り越え、今後新たな飼い主のもとで幸せな暮らしを手に入れることができますように。

プレビュー画像:©︎Facebook/Rob Groves, ©︎Facebook/Supporting wildlife