世界を驚かせた！パリでのファッションショーで披露された異色のスプレードレス

今年のパリのファッションウィークで、ファッションブランドのコペルニ（Coperni）が人々の度肝を抜くパフォーマンスで注目を集めました。

ランウェイに現れたのは世界的モデルのベラ・ハディッド。ヌードカラーの下着だけをつけ、ハイヒールを履いていますが、ほぼ全裸のような彼女の登場に会場は静まり返ります。そして、人々の目の前で芸術作品が生み出されていったのです。

度肝を抜くパフォーマンス

観客が見守る中、25歳のベラは、片手で胸を隠しながらゆっくりと登場。ランウェイの中間地点に到達すると、白いスプレー缶を持ったコペルニチームが彼女を囲みます。

ソフトな音楽が流れ、スーパーモデルのベラが優雅にポーズを決める中、デザイナーは彼女の体に直接スプレーでドレスを描いていきます。

ドレスの土台ができあがると、次は微調整。雪のように散った不要な素材をサッと取り除き、肩紐をオフショルダーにして、裾には大胆にスリットを入れます。

わずか数分で、美しいミディ丈のドレスの完成です。ベラはその後、ランウェイを闊歩して、コペルニのショーのグランドフィナーレを飾りました。

使用されたのは「Fabrican」という特殊なポリマー溶液（綿と合成繊維の混合物）。吹き付けて、空気に触れるとすぐに硬化するため、観客の目の前で、みるみるドレスが出来上がります。弾力性があるため、通常のドレスのように服のなかで体を動かすことができます。

この素材、着用後は剥がして液状に戻せば、再利用することができるそう。ブランド創業者のセバスチャン・マイヤーは、このパフォーマンスの背景をこう語っています。「新しいことに挑戦し、未来に何が可能かを示すことは、デザイナーの義務なんです」

ベラ・ハディッドのランウェイパフォーマンスの動画はこちらです。

コペルニのチームは6カ月間、ロンドンのバイオサイエンスイノベーションセンターで、このスプレーの実験を行ってきました。

セバスチャン・マイヤーによると、商業的に流通させるのはまだ難しい技術だそうです。「これでお金を稼ぐことはできませんが、すばらしい瞬間でした」と彼は語っています。

まさにファッション史に残る瞬間といえるでしょう。SNSでもこの未来的で美しいパフォーマンスに多くの驚きの声があがっています。

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