【禁断のカニバリズム大家族】25年間で1000人が犠牲に…たった一組の夫婦から48人の大所帯となった恐るべき一族の伝説

※注意: この記事にはショッキングな表現が含まれます

500年程前のイギリス、スコットランド南西部の街エアシャイアで、スコットランド全土を恐怖に陥れるような身の毛もよだつ恐ろしい事件が発覚しました。

ことの起こりはある夜、一人の男性が街の役場にパニック状態で担ぎ込まれてきたことから事件は発覚します。男性の服は引き裂かれ、全身血だらけで必死に何かを訴えようとするのですが、恐怖のあまり話すこともままなりまません。「助けてくれ、妻が…妻が…」と怯えた様子で繰り返す男性にブランディを飲ませ、落ち着かせてから話を聞き出した役人たちはあまりにも恐ろしい体験話に戦慄することになります。

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その日の夕刻、男性は妻と一頭の馬に相乗りして隣町で開かれた市から家路に向かっていました。すると、平原のあぜ道を進む夫婦の前方に奇妙な格好の男が現れました。見るからにチグハグな服装でひどく汚れており、おどろおどろしい得体の知れない雰囲気が立ち込めていました。

蛇のようにジッとこちらを見据える男の異様な様子に夫婦が怯み、馬が歩みを止めた途端、周囲の草むらから人間とは思えない不気味な集団がこん棒を手に飛び出してきたのです。集団は妻を馬から引きずり下ろし群がり襲いかかると、男性にも複数人で襲いかかってきました。こん棒で殴られ、脚を鋭い歯で噛り付かれながらも、男性は必死に護身用の剣で応戦。妻はその場で絶命してしまいましたが、男性は馬を駆りたて、なんとか追いかけてくる集団から逃げ出すことに成功。途中、何人かが草むらから飛び出して男性を馬から引きずり下ろそうとしましたが、なんとか振り切ることができました。

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その直後、偶然にも現場を祭礼帰りの一行が通りかかります。大人数で歩いてくる一行を見ると、不気味な殺人集団は妻の遺体を残したまま逃げ出し、男性は一行に助けを求めることができました。

「あれは化け物だ…人ではない…」と恐怖に震えながら語る男性の体験に驚愕する役人。

しかしながら…近年この地域では旅人や行商人が忽然と姿を消す奇妙な事件が相次ぎ、「人食い族がいるようだ」という噂がささやかれていました。荒野に人喰い野獣が生息している、はたまた宿屋の主人が金目当てに旅人を殺してるといった噂が流れ、中には宿泊客殺しの汚名を着せられリンチされることを恐れた宿屋の主人が夜逃げするという一件すらあったほどです。

「失踪事件と何か関係があるでのではないか」この事件はただちにスコットランド国王ジェームズ6世にも報告され、事態を重く見た国王は自ら400人の兵を率いて捜索に乗り出します。

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実際のところ、旅人や行商人の失踪の裏には何があったのか…後に明らかになった真相は想像をはるかに超える恐るべきものでした。

 

妻を殺された被害者男性が遭遇した恐ろしい殺人集団の長の名はアレクサンダー・ソニー・ビーン。15世紀(16世紀説もあり)にスコットランド南東部の田舎町の貧しい労働者の家庭に生まれたソニー・ビーンは若い頃は肉体労働者として従事しますが、もともと怠惰で粗暴な性格ゆえに職を失い、厳しい父親に反発して家を飛び出してしまいます。

放浪の身となったソニー・ビーンが出会ったのが、地域でも怠惰で性悪な女として有名だったアグネス・ダグラス。魔女とも噂されていたアグネスと意気投合したソニー・ビーンは二人でスコットランド各地を転々としながら目に付いた旅人を襲い金目のものを盗む生活を繰り返したのち、ギャロウェイ州(イギリス西北部ノース海峡に面した半島)バラントレー近くのサウス・エアシャー 海岸にたどり着きます。この一帯の海岸には岩山がいくつも露出しており洞窟が無数にあり、二人はその中から満潮時には入り口が海面下に隠れる洞窟を選び定住します。

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しかし居心地の良い快適な寝ぐらは手に入れたものの、先立つものがありません。生活の糧を得るために、手っ取り早く旅人を襲い金品を奪い、当初はその金で食料品を買っていた二人ですが…やがて殺した人間の肉を食べるようになります。殺人を誰にも気づかれないよう、無駄に人を殺して食べることはせず、空腹時のみ誰もいない荒野を一人で移動する旅人を限定で襲い、自分たちの存在を知られる痕跡を残さないよう細心の注意を払いました。

犠牲者の遺体は洞窟の中に運び、干物や塩漬け加工して長期保存し、外に証拠を残さないよう骨は洞窟内に遺棄。被害者の金は近隣の村や街で必要なものを買うために使ったものの、私物や衣類はどんなに金目のものでも犯行が露見することを恐れ、換金することなく洞窟の中に隠す徹底ぶりでした。

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さて、生活が安定すると他にすることもない二人はセックスに明け暮れ、男8人、女6人の14人もの子供をもうけます。子供たちは殺人を除き、外部の人間とは一切接触することなく洞窟内で育ちます。物心ついた頃から犠牲者の肉を食べてきた子供たちにとって、父の旅人殺しを手伝い、遺体を解体し保存加工することに対しては何の抵抗もありませんでした。まともな教育は一切受けず、そのため言語能力は乏しく言葉もまともに話せない状態でしたが、見張りや逃げ出す旅人を待ち伏せする役割など、まるで獲物を決して逃さない優れた野生動物の狩りのように抜群のチームワークで狙った旅人を手にかけていきました。

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また、子供たちは成長すると子供同士で近親相姦を繰り返します。大人数であればあるほど効率よく獲物である旅人を狩ることができることから、親は子供の近親相姦を止めるどころか促し、その結果、孫息子18人孫娘14人が生まれ、一組の夫婦から始まったビーン一族は48人の大所帯にまで急増します。

殺人を犯し、犠牲者を解体しその肉をむさぼり、無数の人骨や遺体が転がる洞窟内で血の濃い者同士で乱交三昧…そんなおぞましい暮らしを一族は当たり前のように長年送り続けました。

獲物である旅人を逃すと自分たちの存在が露見してしまうため、「狙った獲物は逃さない」の方針で襲う旅人は必ず殺害したビーン一族。そのため、彼らの存在が周囲に知られることはありませんでした。しかし家族が増えるにつれて食糧となる人を殺す回数が増え、これまで一人の旅人限定で襲っていた「狩猟ルール」もターゲット一人から最大5人へと変更されます。一人の旅人に対し最低3人で襲いかかり、犠牲者がどの方向に逃げても捕まえることができるよう、あらかじめ各位置で待ち伏せする周到ぶりでした。馬や馬車を止める役やこん棒で殴り絶命させる役など、旅人殺しの役割分担は前もって決められていたそうです。

かくして、世間に知られることなく25年のうちに1000人以上を殺し食べてきたと言われるビーン一族ですが…夫婦を襲った際に夫を捕り逃がしたため、ついにそのおぞましい所業は明るみに出ることになります。

国王ジェームス6世による大規模な殺人集団捜索は荒野や周囲の広範囲の森にも及びましたが、とくに怪しい痕跡は発見することができませんでした。しかし、海岸線まで捜索に乗り出した兵士たちは異様な臭気に気がつきます。すると海岸の岩場で犬が突然吠え始めました。不審に思った兵士が岩場を確認すると、そこには洞窟の入り口がぽっかりと口を開けており、中から激しい臭気が…

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洞窟内に足を踏み入れた兵士らは激しい吐き気に襲われました。耐えがたい腐敗臭の立ち込める洞窟内には捨てられた人骨が山のように積まれ、腐った肉片や塩漬け加工された人肉、首のない人体が何体もフックでつるされ、干物のように干されていたのです。変色した遺体の中にはまだ殺害されて日が浅いらしき、血の気のない青白い遺体もありました。

奥行きが1.6キロもある暗い洞窟内には犠牲者の衣類や私物、宝飾品などが数多く散乱しており、これまでの凄惨な数々の犯行を物語っていました。

洞窟の奥に身を潜め、隠れていたビーン一族はそのまま抵抗することなく捕らえられ、チェーンで繋がれたままスコットランドの首都エディンバラのトウルブース監獄に収容されました。その後グラスゴーに移送されたビーン一族ですが、そのあまりにも極悪非道な犯行のため裁判を行うことなく全員に即刻公開処刑が言い渡されました。一族の男たちは両手両足をナタで切断され失血死するまで放置され、女子供たちは男たちの処刑の一部始終を見るよう強制された後、火あぶりの刑に処されたと当時の記録に書き残されています。

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ソニー・ビーンは今際の際に「これで終わりだと思うなよ、終わるわけがないんだ」と叫んだと伝えられています。

自ら悪の道へと進んだソニー・ビーンとその妻アグネスはともかくとして、生まれたときから親や兄弟の旅人殺しを当たり前のように見て、何の疑問も抱くことなくその肉を食べてきた子供達にとって、なぜ自分たちがこのように恐ろしい方法で処刑されなければいけないのか理解できなかったことでしょう。人としてあるべき倫理観や道徳観について教えられることなく、殺人と食人に手を染めていた子供達の人生を想像すると何とも言えない気持ちになります。

事件発覚から500年以上の時を超え、おどろおどろしい陰鬱な伝説と化したソニー・ビーンの一族の物語。一組の夫婦から近親相姦により大家族へと増え続けた人喰い一族が引き起こした恐るべき事件として今後も語り継がれていくことでしょう。

ビーン一族がカニバリズムに明け暮れたあの海岸の洞窟は、今も当時と変わらずに暗い口を開け、かつてこの地で起きたおぞましく凄惨な出来事について静かに物語っているかのようです。

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プレビュー画像: ©️pinterest/ancient-origins.net

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