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ジーンとくる話

ヒツジを食肉加工場へ運ぶ牧場主は、突然思い立って方向転換した。次に彼が起こした行動に、心を打たれずにはいられない。

日本人なら、牧場から市場へ売られていくかわいそうな子牛を歌った「ドナドナ」という曲を一度は聞いたことがあるはず。あまり知られていませんが、このなんとも物悲しくメランコリックな曲は1938年に2人のユダヤ系アメリカ人によって作詞・作曲された「Dana Dana」というイディッシュ語の曲を日本語に翻訳したものです。

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英国デヴォン州で牧場を営むシヴァリンガム・ヴァサンサクマル(Sivalingam Vasanthakumar)も、ドナドナの歌詞にあるように、飼っている羊を食肉加工場へ連れていくことを生業としていました。その日も、オスの羊20頭をトラックに乗せて食肉加工場へ向かっていたシヴァリガム。トラックに積んでいる羊20頭は、売れば130万円近い価値がありましたが、そうせずに彼がこの後とった行動が「感動的」と英国のメディアで取り上げられ、大きな反響を呼んでいます。一体、彼は何をしたのでしょうか?

なんとシヴァリンガムは食肉加工場に向かう途中、トラックを方向転換。そこからおよそ320kmも離れた自然保護区へ羊たちを連れていき、肉にされる運命だった羊たちの命を救ったのです!シヴァリンガムは当時の心境をこう語っています。

「もうこれ以上我慢できなかっただけなんです。私は羊たちを食肉加工場へ運んでいた。そのことが心の重圧になっていたんです。感情的なストレスが溜まり、今年に入ってから、もう続けられないと思うようになりました。」

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食肉にされるはずだった羊たちは、現在ウスターシャー州ギダーミンスターにある動物保護区で暮らしているとのこと。トラックの荷台に載せられていく羊を見ることすら彼にとっては辛かったようで「羊たちは荷台の後ろの方に隠れて、降りようとしません。自分たちの運命が分かっているんです」と羊飼いとしての苦悩を語っています。

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現在、シヴァリンガムは牧場で農作物を栽培する計画を立てているそうで、農園で収穫した野菜で作るベジタリアン料理のレストランをオープンすることも視野に入れているとのこと。

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いかがでしたか? シヴァリンガムが命を救った羊たちが、これから動物保護区で伸び伸びと余生を過ごせると良いですね。