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アンビリーバボー

大損害!人為的ミスが招いた10件の途方もない大惨事

歴史に残るような大失敗といえば、ピサの斜塔を思い浮かべる人もいるでしょう。ピサの斜塔は確かに失敗建築ではありますが、絵になる稀な例です。

世界では、途方もない大損害を伴う人為的失敗が時折起きています。人間ですからミスはつきものなのですが、これらの大失敗に共通しているのは、本当に、本当に高くついたということです。失敗した本人はきっと生きた心地がしなかったでしょう。

では、失敗が原因で起きてしまった世界的な大惨事10件をご覧ください。

1. 敵もいないのに戦闘機爆破

2018年、ベルギーのフロレンヌ空軍基地で起きた大惨事。F-16戦闘機の整備中、エンジニアのミスで戦闘機からガトリング砲が暴発。前方に停めてあった燃料満タンのF-16に命中してしまいました。この事故で2人のエンジニアが頭に怪我を負い、被害総額は日本円にして20億円以上にものぼりました。

2. 家を呑み込んだ穴

米サウスダコタ州ブラックホークでは、不安定な地盤の上に家を建てたことにより大惨事が起きました。2020年、ここの住民が芝生を刈っていたところ、突然地面が崩れ、巨大な陥没穴が出現。実は、この物件の真下には全長183mの廃坑があり、建物を建ててはいけない場所だったのです。この陥没により、近隣の12世帯が避難し、土地はまったく価値がなくなり、被害額は日本円でおよそ20億円となりました。

3. 話題の超高層ビル

ロンドンにある37階建ての高層ビル、通称「ウォーキー・トーキー」は、総工費2億ポンド(約310億円)をかけて作られた大規模プロジェクト。上部に向かって広がるような凹凸のある形状と全面ガラス張りというインパクトのある見た目で注目されました。が、このビルがさらに注目を集めたのが、ビルからの「殺人光線」。2014年にはビルの凹型のガラスに太陽光が反射し、ビルの下に停車した車が溶けるという驚きの事態に。

それだけではありません。このビルの近くにある店からは、暑い日に集中的に降り注ぐ太陽光線によって店の窓ガラスが粉々になったという報告が何度もあったのです。結局、超高層ビルのオーナーは、莫大な資金(金額は非公開)を投じてビルの南側に巨大な日除けを設置することになりました。

4. 音楽愛好家の悪夢

クエンティン・タランティーノ監督の映画『ヘイトフルエイト』でも大失敗がありました。問題のシーンは、女優ジェニファー・ジェイソン・リーがギターを弾き、カート・ラッセルが突然彼女の手からギターを奪い、ギターを叩き割るという場面。

実はそのギターは撮影のために博物館から貸し出された150年前のビンテージもの。4万ドル(約500万円)の品物だったのです。このシーンではギターをレプリカに置き換える予定でしたが、製作側のミスでそのことがラッセルには伝わっていなかったとのこと。貴重なギターを叩き割ってしまったラッセルは、知らずにとはいえ、自分のやってしまったことに愕然としたそうです。当然、博物館の経営陣は激怒。それ以来、作品の貸し出しは一切やめたとか。

5. ふわふわのサプライズ

2014年にシカゴからオレンジカウンティに飛ぶ飛行機の乗客は、飛行中にヒューという音を聞きました。しばらくして、機内がすべて黄色いふわふわのプラスチックに覆われました。なんと、緊急着陸時に使用するスライド(滑り台)が機内でふくらんでしまったのです。

幸い、怪我人はありませんでしたが、パイロットは緊急着陸を余儀なくされ、飛行機の整備、スライドの交換が必要となり、航空会社は数百万円相当の損害を被ったそうです。

6. 高い水漏れ

2008年、ドバイのショッピングモールに「インドアオーシャン」と呼ばれる世界一の巨大水槽がオープンしました。モールを訪れた人は海の生き物でいっぱいの巨大水槽の横を歩きながらショッピングを楽しむことができます。

しかし2010年、この水槽のガラスにヒビが入り、水が吹き出すという事態が発生。原因はプレートの接続部分に弱点があったことでした。ショッピングセンターはただちに客を避難させ、ダイバーによる補修工事を行いました。この水漏れの代償は数百億円にのぼったと言われています。

7. なぜ傾いているの?

ピサの斜塔は最初から斜塔として設計されたわけではありません。1173年に塔の礎石を据えた段階で、設計者が地盤の弱さを十分に考慮していなかったのが原因です。地盤が緩み、1階から3階までの建設中にすでに塔は南東に向かって傾き始めていました。

この傾きのため、工事は何度も中断。当初は100メートルの塔にする予定でしたが、55メートルに縮小され、残り4階は長い年月と高額予算をかけて増設されることになりました。

そして1350年に傾いた塔として完成。200年以上かけて塔のバランスをとる様々な工夫が施されたおかげで、大きな地震にあっても一度も倒壊せずにたっています。この失敗のおかげで、ピサの斜塔はユネスコの世界遺産に登録され、世界的に人気のある観光名所の一つとなっています。

8. まるでドミノの駒

2009年、中国の上海で13階建ての賃貸マンション11棟が建設されました。このロータスリバーサイドというマンション群の1棟が、なんとそのままパタンと倒壊。

原因は、建物の横に積まれた大量の土。地下に駐車場を作るために大量の土砂を採掘し、マンションと川の間の土手に降ろしていたのです。その重さで土手が崩壊し、川の水がビルの下の空洞に流れ込み、地盤が軟化して高層ビル全体が反対側に倒れてしまいました。まるでドミノの駒のようですが、向いのマンションとの距離があり、ドミノ倒しになる地獄絵図だけは免れました。

9. 王子のヨットは取り扱い注意

サウジアラビアの王子が所有する70メートルの超豪華ヨットのメンテナンス中に大惨事が起こりました。2020年、ギリシャの造船所でヨットの汚れを防ぐための作業中、7900万ドル(100億円以上)のスーパーヨットは横に傾き、半分水没。横倒しになった豪華ヨットの修理費はもちろん恐ろしいほどの金額。さらに横倒しになったはずみで造船所の設備にも損傷を与えてしまったそうです。

10. ボルトの締め忘れ

2003年、宇宙船開発事業を行う米ロッキード・マーティン社でも、大惨事が起こりました。同社の作業員がNoaa-N Prime人工衛星を別の位置に移動させようと持ち上げたとき、24本のボルトを取り付けわすれたために、精巧な気象衛星が工場の床に横転。

ボルトの締め忘れが1億3500万ドル(約190億円)の損害を生みました。

途方もない失敗ってあるんですね。「こんな失敗に比べたら、私の小さなミスなんて大したことないかも?!」なんて気が楽になった人もいるかもしれません。

出典: investing
プレビュー画像: © Facebook/Imran Husain