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えらい

後輩芸人に騙された志村けんさんの発言に驚き

志村けんさんと言えば、日本を代表するあまりにも有名なコメディアンです。2020年に惜しまれつつもこの世を去りましたが、後世のお笑い界に与えた影響はあまりにも大きく、旅立った今もなお人々の心には志村さんが生きると言っても過言ではないでしょう。

そんな志村さんですが、なぜこれほどまでにお笑い界で存在感を放つことができたのでしょうか?お笑いのセンスはもちろんのことですが、そこには志村さんの思いやり溢れる人柄があったと言われています。

たとえば子供が志村さんを見て「あ!変なおじさんだ!」と指差すと、志村さんは黙って楽屋に入って、変なおじさんのコスチュームに身を包んできて、変なおじさんダンスを披露して子供を喜ばせてあげたなんてエピソードがあるくらいです。

そんな人々から愛される性格だった志村さんですが、2016年、関西ローカルで放送されたバラエティ番組「胸いっぱいサミット」で、あるとんでもないエピソードが明かされています。それは、志村さんの人柄を知るには十分すぎるエピソードでした。

ある日、志村さんのもとに売れない後輩芸人がたずねてきて、こう泣きついてきたそうです。

「実は娘が病気で、300万円の治療費が必要なんです…」

心配した志村さんは、その後輩芸人に、治療費をはるかに超える額の1000万円を用意したそうです。そして、こんな言葉と共にそのお金を差し出したのです。

「出世払いで返してくれればいいから、持っていけ」…

これだけでも志村さんが相当広い心の持ち主であるということが分かりますが、肝心のストーリーはここからです。

その後輩芸人を訝しんだ松村邦洋さんが後輩芸人を問い詰めると…驚きの事実が発覚します。

なんと、娘の病気は嘘だったのです。

志村さんからお金を騙し取った後輩芸人に怒りを感じた松村さん。その事実は隠しておくべきではないと思い、志村さんに伝えると…志村さんから返ってきた反応は、驚くべきものだったのです。

「なーんだ、娘さん無事だったの?良かった、ホッとしたなぁ…」

なんということでしょう。

志村さん、お金を騙し取られたことに対して怒るどころか、後輩芸人の娘さんが病気でないと知り、安堵したような表情を浮かべたのです。

「お金は取り返しに行かなくていいんですか」と聞いた松村さん。すると志村さんはこう答えたそうです。

「貸した金はいいよ。金は天下の回りものだ」

志村さんは、お金を貸している間も、その後輩芸人の娘さんをしきりに気にかけて、心配していたそうです。

そこからは、お金よりも人を大切にしたいという志村さんの価値観が垣間見えるようです。芸能界での大きな成功もきっと、周囲の「人」を大切に扱ってきたその結果なのかもしれないですね。

志村さんの人柄が偲ばれる、素敵なエピソードでした。

プレビュー画像: ©Pinterest/bunshun.jp