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ストーリー

病気の従業員を無理やり働かせようとした上司、バチが当たる

「風邪を引いて熱があって辛いけど、無理して出勤…」止めましょう。よほどの外せない一世一代的なプレゼンでもない限り、休みましょう。病気を押して出勤しても、症状が改善せず悪化してこじらせてしまう上に、仕事の効率も平常時に比べ低下、さらには職場の同僚に感染させてしまう可能性もあり、ロクなことがありません。

しかし世の中には「病気でも這ってでも来い」的な上司がいるのも事実。イギリス人女性サラも、そんな上司に恵まれない従業員の一人でした。サラの勤務先である大型ホームセンターでは、社員の勤務時間や欠勤に対して非常に厳しい制限を設けていました。もし遅刻するようなことがあれば上司から「緑」・「黄色」・「赤」の警告を受け、赤は社内成績に響くだけでなく、解雇へのカウントダウンとも言える、要注意警告を意味するものでした。

ある朝、サラは胃痙攣と激しい吐き気で目を覚ましました。嘔吐後も体調は回復せず、発熱も伴い、とうてい出勤など出来そうにもない状況でした。

サラは職場に連絡し、病欠の意思を伝えました。人事課の担当者から早く体調不良が治るようにと労わりの言葉をかけられ、休んでいたサラですが…

その2時間後、サラの携帯電話が鳴り響きます。発信元は直属の上司。なぜ来ない?出勤するようにとの非情な業務命令でした。とてもではないが出勤できるような状態ではないと症状を説明したものの、上司は全くもって理解を示そうとしませんでした。それどころか、もしサラが今日出勤しなければ残念だけど赤の警告を受けることになると言う始末。

この赤の警告を年に2回受けると、解雇されてしまいます。まだ年度が始まったばかり、もし今後1年以内に遅刻や病欠をしたら、即刻クビ確実です。

しかたなく、サラは吐き気を堪え、フラフラになりながら職場へと向かいます。同僚は出勤したサラを見るなり、「ちょっと!大丈夫?顔、真っ青よ!」と叫びました。

「そこでじっとしてて」と同僚はサラに告げると、例の直属の上司リサと、店長を連れてきました。話を聞いた店長は、これほど体調不良の従業員が半ば強制的に出勤してきたことに驚いた様子でした。とりあえずサラを車で送り届けてやるようにと店長はリサに指示。出勤早々サラは直属の上司の車で退勤することに。

しかし2人が従業員出口に向かって店内を歩いていたときでした。塗料売り場に差し掛かり、コトは起こりました。ペンキ塗料の臭いに刺激されてか、サラは強い吐き気に襲われます。そして…こみ上げるものを抑えることができず、盛大に嘔吐してしまったのでした。咄嗟に腰を曲げることもできず、直立したままマーライオン状態でした。

辺り一体にゲ◯を文字通りぶちまけてしまったのです。まさに悪夢のような光景でした。

惨状とは裏腹にキャッチーな店内音楽だけが虚しく流れる中、サラが顔を上げると、そこには恐怖に引きつった店長の顔がありました。

「リサ、モップを持ってきてそこを片付けておいてくれ。それから、今日彼女に出勤を強制したことについて後で話がある。とりあえず早くサラを家に送ってやりなさい」店長の声が響きました。

リサはサラを自宅に送り届け、床の掃除をし、さらに病気の部下に出勤を強要したことにより厳重注意を受ける羽目になりました。

「這ってでも来い」と無茶ぶっていたこの上司…バチが当たったのかもしれませんね。