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小児がん患者の弟に寄り添う5歳の姉

現在4歳のベケット・バージががんの一種である小児急性リンパ性白血病の宣告を受けたのは2018年の8月でした。それ以来、ベケットの厳しい闘病生活が始まりました。でも、それは決して孤独な闘いではありません。ベケットの隣にはいつも姉のオーブリーがいて、弟を支えてくれるからです。

小児急性リンパ性白血病が発覚してからというもの、ベケットは定期的に化学療法を受けています。がん治療における化学療法の副作用としてよく知られる脱毛に加え、吐き気や嘔吐に苦しむ日々。治療中はあまりの吐き気に耐えられず、ベッドとトイレを往復するばかりでした。

闘病生活を送る末っ子を家族一丸となって支えるなか、特に5歳のオーブリーは熱心に弟の面倒を見ています。遊びやゲームには目もくれず、病気の弟につきっきりで、少しでもベケットが快適にすごせるようサポート。幼いながらに弟想いの優しいお姉さんです。

姉弟の母ケイトリン・バージはある日、幼い子供達が寄り添う姿を見て涙します。その場面をケイトリンは撮影しFacebookにコメントと共に投稿。苦難にあるときに家族や親しい誰かの支えがいかに大きなものであるかを物語るこちらの写真は大きな反響を呼びました。

その日、オーブリーは吐き気を催しトイレで苦しむベケットを介抱していました。母のケイトリンはそんな2人の姿を目にし、胸をえぐられる思いでした。

「オーブリーはまだ幼く、弟の身に何が起きているのか完全に把握できてはいないけれど、自分が体調の悪いときに私たちにしてもらったように、弟の吐き気が落ち着くまでずっと側で背中をさすってあげていました。『大丈夫だから』と話しかけながら。そして口を拭き手を洗ってあげました。互いに寄り添う2人の姿を見て、嬉しさと同時に例えようもない悲しみが押し寄せてきました。オーブリーは一生懸命弟の面倒をみており、2人はこれ以上にないほど強い絆で結ばれています」

「本来ならば、4、5歳の年頃の子供は外で友達も遊んでいるべき年齢でしょう。オーブリーは体操のレッスンが好きでしたが、ベケットの治療費用のため家計が苦しくなり、体操のレッスンを続けることができませんでした。公園などで他の子供たちと同様に走り回って遊ぶ年頃ですが、弟の面倒を見たがり外に遊びにいくことはありません。いつも外に遊びに行くよう促しても、弟の側にいたいと言うのです。オーブリーの弟を想う心に心打たれる一方、彼女の大切な子供時代をおざなりにしているようで、切ない気持ちになります」とケイトリン。

病気の弟に対する姉の思いやり深い心を象徴するかのような美しくも悲しい写真です。辛い闘病生活を送るベケットにとって、オーブリーの存在は大きな救いとなっていることでしょう。まだまだ闘病生活は続きますが、白血病という大きな敵に立ち向かうベケットは1人ではありません。頼もしい姉がいつも側にいるからこそ、ベケットは今後も病魔に勝つために前を向いて戦い続けることでしょう。