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家を失い車上生活中の77歳恩師を発見した元教え子

教師はまぎれもなく最も重要な職業のひとつ。

日本でも教師の給与がその重要さに比例して高いとは言えません。しかしアメリカでは事情はさらに深刻です。公立校の先生の給料は非常に低く、生活のためにアルバイトや副業をしなければならない例も少なくありません。カリフォルニア州フォンタナで長年教師を勤めたホセ・ビラルエルは、特に厳しい状況に置かれていました。

ホセはメキシコ出身。妻や子どもたちはまだメキシコに住んでいるため、毎月、給料の大半を家族に送金していました。残ったわずかな給料では部屋を借り続けることができず、彼は8年前から車で生活していました。

77歳になるホセは数十年にわたり、数え切れないほど多くの子どもたちを教えてきました。教え子たちは、ホセの教育への情熱と優しい人柄を慕っていました。

© YouTube / FOX 11 Los Angeles

ある日、かつての教え子であるスティーブン・ナバが通勤途中にホセに偶然出会います。車内に座っていたホセを見て、先生だとすぐに分かったと言います。21歳のスティーブンは大好きだった先生との再会を喜びますが、恩師の現在の境遇にショックを受けます。

ホセはすでに退職していました。2020年にパンデミックでオンライン授業が増え、授業時間が短くなったため、自分の教師としての役割は終わったと判断して辞表を提出したのです。今は年金をもらっていますが、そのほとんどは借金の返済とメキシコの家族への送金に充てていると言います。スティーブンは退職後に車上生活をしている恩師をなんとか助けたいと思い、その場で300ドル(約3万3000円)を手渡します。

© YouTube / FOX 11 Los Angeles

しかし、300ドルでは、生活の足しにはなっても、根本的な解決にはなりません。スティーブンは家に帰ると、クラウドファンディングを立ち上げ、かつてのホセの教え子たちに恩師への寄付を募りました。

反応はすぐに返ってきました。なんと数時間後には目標金額の5,000ドル(約55万円)が集まったのです。その後もホセの元教え子たちは、残高が27,000ドル(約300万円)になるまで寄付を積み上げました。

スティーブンはホセの77歳の誕生日に、町長の協力を得て、盛大な祝賀会を開きました。多くの教え子が集まり、恩師の誕生日を祝います。そして、会の最後に小切手が手渡されました。

© YouTube / FOX 11 Los Angeles

小切手を見て「夢を見ているようだ」とつぶやいたホセは、教え子たちと抱き合い、思わず涙ぐんでしまいます。

© YouTube / FOX 11 Los Angeles

感動的な祝賀会の様子はこちらのビデオ(英語)でご覧ください。

ホセはきっと生徒想いの素晴らしい先生だったにちがいありません。教え子たちも、先生に恩返しできたことを誇らしく思っているでしょう。

ホセのように愛すべき先生に出会えた人たちは幸運ですね。そんな幸運な人たちの「人生を変えた先生エピソード」も併せてご覧ください。

出典: spotlightstories

プレビュー画像:  © YouTube / FOX 11 Los Angeles