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ジーンとくる話

辛い過去を持つ少年はシニア犬の気持ちに寄り添う

米フロリダ州に住む10歳の少年ロビーは、2019年にマリアとチャールズ・ゲイ夫妻の養子になりました。ロビーは実親からひどい虐待を受けていたため、脳に損傷を受けて2度入院するという悲痛な過去の持ち主です。

ロビーもゲイ夫妻も動物が大好きだったため、一家はアニマルシェルターに行きました。ロビーが選んだのはバフィーという犬でした。もう引き取り手は見つからないだろうと誰もが考えていた年老いた犬です。ロビーはこう言ったそうです。「みんな、年をとった犬は欲しがらないんだ。赤ちゃんや子犬しか欲しがらないんだよ」

約1年後、マリアはFacebookで愛犬バフィーとの別れの日の写真を公開し、この瞬間がどのようにして訪れたのかを説明しています。このときのロビーの反応に多くの人が感動し、涙しています。その日のマリアの投稿をご覧ください。

「今日は思ったようにはいかない日だったけど、辛い時こそ、大切な教訓を学び、感謝の気持ちを持つことができるのかもしれません。

バフィーは今日、歯のクリーニングと抜歯をする予定でしたが、獣医の先生は麻酔をかける前にいくつかの検査結果を見る必要があると感じたそう。彼女の直感は正しく、バフィーには進行した腎不全の兆候がみられ、麻酔はもう無理でした。家族としては、バフィーが生きる気力を失い、食べたり飲んだりができなくなる前に逝かせてあげるのが精一杯の優しさと愛情だと判断しました。

もちろん、この決断プロセスにロビーを参加させないわけにはいかないと思い、すぐに学校に迎えに行きました。ロビーは『天国に行くときには僕がバフィーを抱きしめたい』と言いました。私はもちろんロビーにその大切な役割をお願いしました。帰り道、私はロビーに、年老いた動物の世話をすることの重要性を理解して、彼らが苦しむことのないように手助けしてくれたことを誇りに思うと伝えました。

そのときの彼の言葉です。

『誰にも愛されず、世話もされないってどんな気持ちか、僕には分かるんだ。動物たちにはそんな思いをさせたくない。天国に行ってしまうことは僕らにとっては悲しいことだけど、動物たちにとってはそれは幸せな日だよ。僕のことを誇りに思ってくれてありがとう。ママは大丈夫?』

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以前、ロビーはこう言ったこともあります。『ママたちが赤ちゃんが欲しいって望んでいたら、僕を養子にしようなんて思わなかったでしょう』と。彼は自分をシニア犬に重ね合わせているのです。

ロビーは一緒にいる年月の長さと愛情の深さには関係がないということも教えてくれました。『ママたちは僕のことを2年しか知らないけれど、初めからママだったみたいに僕を愛してくれるね』

そう、私の息子は最高なんです」

自身も辛い過去があるロビーの言葉は重く、そして暖かく、私たちの心に響きます。

養母マリアによるとロビーはバフィーとの別れの日までは、家族の前で泣くことができなかったそうです。

ロビーはその後も6匹のシニア犬の里親になり、さらに動物愛護協会でボランティア活動を始め、シニア犬たちの養子縁組のお手伝いをしているそうです。

辛い過去を乗り越えて前に進むロビーの姿に私たちも勇気をもらえますね。

出典: lovewhatmatters

プレビュー画像:© Facebook / MariaHenryGay