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【健康維持方法に思わず嘆息】史上最高齢122歳まで生きたフランス人女性の奔放で前向きな人生

南フランス、アルル出身の故ジャンヌ・カルマンは、歴史に名を残した女性です。偉業を成し遂げたからではなく、年を重ねたことによって。史上最高齢の記録保持者とされる彼女は122歳まで生きました。

ジャンヌは1875年から1997年までの122年と164日を生きました。彼女が生まれたときの女性の平均寿命はわずか45歳。彼女は平均寿命の3倍を生きたことになります。

ここにジャンヌの若い頃の写真があります。

© Wikipedia/Gemeinfrei

公式の長寿記録世界一の彼女。長生きの秘密は何だったのでしょう。

彼女が長寿の遺伝子を持っていたと考える人もいます。実際、近親者の中にも長生きだった人が多くいます。父親は93歳、弟は97歳、母親は86歳で亡くなりました。そしてジャンヌは、自分が生まれた時に地球に生存していた15億人のなかで一番最後に天国に召されました。

この写真は1905年にジャンヌの両親を写したものです。

© Wikipedia/Public Domain

21歳の時、ジャンヌは従兄弟のフェルナン・カルマンと結婚。二人の間には一人娘イヴォンヌが生まれ、イヴォンヌはジャンヌのたった一人の孫を産みました。

夫フェルナンがとても裕福だったので、ジャンヌは働く必要がほとんどなく、テニス、サイクリング、水泳を楽しみ、ピアノを弾いて自由な時間を過ごすことができました。屋外でよく運動し、ストレスのない生活こそが長寿の完璧な組み合わせだったと考える人もいます。実際、ジャンヌは1日も病気になったことがないと主張していました。

© Wikipedia/Public Domain

彼女は、オリーブオイル、にんにく、チョコレートをたくさん食べていたと言います。チョコレートに至っては週に1 kgも!もちろん野菜も十分に食べていました。さらに、毎日グラス1杯のポートワインを飲んでおり、それが長寿の秘訣ではないかと考える人もいました。ジャンヌ自身もそう信じていたようです。食事について聞かれた時、ジャンヌは「毎日グラス1杯のワインを飲むことで健康を維持できる」と答えています。

しかし、彼女の生活の一切が健康的だったわけではありません。ジャンヌは20歳から96年間(!)たばこを吸っており、完全に禁煙したのは119歳。しかも、禁煙した理由は、健康に悪いからではなく、目が見えず耳が聞こえなくなったため自分で火をつけることができなくなったからでした。

ジャンヌは老後も機敏で健康でありつづけたいと運動を続けていました。85歳でフェンシングを始め、100歳まで自転車に乗り、110歳まで一人暮らしをしていたというから驚きです。

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運動ができなくなると、老後の住まいにミニバスを買えるようにと、120歳でテクノCDをリリース(自身もラップで参加)。彼女は働いたことはありませんでしたが、お金を稼ぐ戦略には長けていたようです。

娘、夫に続き、1963年に孫息子が亡くなると、彼女の被相続人はいなくなりました。そこで、1965年、彼女は当時47歳だった公証人の男性と契約を交わします。その契約は、ジャンヌの死後にアパートをもらいうけることと引き換えに、ジャンヌに毎月2,500フランの年金を提供するというもの。ジャンヌは当時90歳。アパートは10年分の支払いの価値があったため、その男性にはお買い得に思えたでしょう。まさか、その老婦人が、その後32年も生きるとは夢にも思わなかったはずですから。

その公証人は、ジャンヌよりも2年早く77歳のときにガンで他界しました。90万フラン(アパートの市場価値の倍以上)も支払ったというのに、アパートを手に入れることができなかったなんて、少しかわいそうですね。

ジャンヌは14歳のときにビンセント·ファン·ゴッホと実際に会ったエピソードでも有名です。『ヴィンセントと私』というドキュメンタリーで、彼女は世界的巨匠のことを「汚くて、格好も性格も最悪だった」と語っています。

また、ジャンヌはエッフェル塔のないパリを思い出すことができました。彼女が12歳の時にエッフェル塔の建設が始まったのです。

© Wikipedia/Fair use

121歳の誕生日の写真

ジャンヌは111歳のときにフランスで最高齢になり、1995年、120歳のときにギネスブックに世界最高齢の生存者と記載されました。

彼女の死後、ジャンヌの記録が破られたという主張が数多くありましたが、どれも記録がなく、証明されていません。さらに、彼女が実は替え玉だったのでは、という疑義が生じたこともありましたが、記録は正確だと確認され、疑問はすべて解消されました。

これが彼女の出生証明書です。

© Wikipedia/Gemeinfrei

エッフェル塔がまだないパリを知り、ゴッホに会い、思う存分人生を楽しみ、世界記録を更新した女性の一世紀を超える信じられない物語、なんだか魅了されますね。彼女の口癖は「ああ、楽しい!」だったそうです。

ジャンヌの記録に挑戦したい人は、チョコレートを食べ、ワイングラスを用意しましょう。そして、社会との関わりを持ち続け、ストレスのない生活をすれば、もしかすると記録を更新できるかもしれませんよ!

 

プレビュー画像: © Wikipedia/Gemeinfrei © Wikipedia/Fair use