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考えさせられる

医療従事者の心に残った「印象的な最期の言葉」

多くの人の最期の瞬間に立ち会う職業があります。たとえば看護師、介護士、医師などの医療従事者。

インターネットプラットフォームredditであるユーザーが、医療従事者に向けて、心に残っている臨終の言葉を教えてほしいと投稿したところ、多くの人が印象的な最期の言葉を報告しています。

遅れてきた後悔

ある医師は、咽頭癌と診断した患者のことを今も思い出すと言います。

「危険な病気ですが、治療が可能な状態で、生存率も悪くありません。私はこの患者に治療を受けてもらうために手を尽くしましたが、彼はどんな治療も拒否しました。

3ヵ月後、奥さんと成人した息子さん2人が彼を連れてきました。もう自分の足では歩けなかったのです。誰もが彼に余命がないことを知っていました。

彼はもう動けなかったのですが、震える手で私の脚の横をなでて、ささやきました。『死にたくない』と。救急車が来て病院に運ばれる前に、彼は意識を失いました。その後、目を覚ますことはありませんでした」

Holding Dad's Hand

ユーモアで恐怖に打ち克つ

別の看護師は、重い心臓病を患う男性を看取ったときの様子を話してくれました。

「その男性は、咳をしたり、前かがみになったりすると、胸腔内圧が上がり、気絶するという発作が何度も起きていました。

でも、彼の精神は健全で、ユーモアと機知に富み、いずれ起きることを平然と受け入れていました。彼と私は「次の発作が起きたら、死んでしまうだろうな」と冗談を言って、お茶を飲んでくだらない話をしました。それから5分もしないうちに、次の発作が起きました。それが彼の最期でした」

Sadness

愛する人を見つけた

ある女性は祖母の最期の瞬間を覚えています。

「祖母は認知症を患っており、ほとんど意識がありませんでしたが、ベッドの上で突然目を開け、はっきりとこう言いました。『ジャックを見つけたわ』と。ジャックとは8年前に亡くなった彼女の夫(私の祖父)。祖母はジャックや友人たちと一緒にダンスパーティに行くと言いました。『もう行かなくちゃ。彼が一緒に踊ろうって言ってる』それが最後の言葉でした」

「そんなつもりじゃなかった」

別の男性は、救急隊員として最も悲しかった任務について語っています。

「中年男性の心臓が突然止まってしまいましたが、心配蘇生を行うと意識が戻りました。救助隊員たちは安堵と喜びの表情を浮かべながら『もう少しで死ぬところでしたよ』と冗談めかして言いました。男性は悲しそうに『すみません。そんなつもりじゃなかったんです』と言いました。 その時、彼の心臓が再び停止し、今度は助けることができませんでした」

A la recherche du temps perdu...

「死ぬだけだよ」

別の看護師は、癌で余命いくばくもない40歳の男性を看護していました。

「患者さんの隣には泣きじゃくる妻がいました。彼は最後の力を振り絞って、妻の涙をそっと拭いながら、酸素マスクをはずし『大丈夫、怖がらないで。死ぬだけだよ』そう言ってまもなく息を引き取りました」

勇敢な言葉

ある看護師は集中治療室で末期治療を受けていた老婦人の言葉が印象的でした。

「老婦人は私の目を見て『私は死ぬの?』と尋ねました。私は正直に『そうです』と言いました。彼女はわずかに微笑みながら『時にはやりたくないことをやらなければね』と言って目を閉じ、1日後に亡くなるまで眠り続けました」

Old woman reading

「最期の言葉」は、ほんの短い言葉であっても、その人の生き様を象徴的に見せてくれるような気がします。

出典:reddit
プレビュー画像:© Flickr/Quinn Dombrowski