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アンビリーバボー

49歳のアイスランド人男性が世界初の両腕移植に成功

アイスランド出身のフェリックス・グレタルソン(49)は、24年前に事故で両腕を失うという悲劇に見舞われました。しかし、それは彼の試練の始まりに過ぎませんでした。どん底から光を手繰るように幸運を手にした彼の奇跡の物語をご紹介しましょう。

電気技師として働いていたフェリックスは、25歳の時にひどい感電事故に遭います。全身に怪我を負っただけでなく、事故直後に彼の両腕は肩から切断されました。

フェリックスは2人の娘の父親でした。下の子はまだ生後3カ月。ある日突然、子どもたちを腕に抱くことができなくなり、自分の身の回りのことはもちろん食事や体を洗うこともできなくなったのです。

幸運なことに、フェリックスの家族や友人は100%彼をサポートしてくれました。しかし、彼は変わり果てた自分の人生を受け入れることができません。精神的に落ち込んだ彼は、事故の後遺症の痛みを和らげるために酒とドラッグに手を出し、心身ともにボロボロに。

それでもフェリックスは生きる希望を失いませんでした。その後、人生をやり直すことを決意し、アルコール依存症との戦いに勝利し、肝臓移植を受けることもできました。

肝臓移植で健康を取り戻したフェリックスは、いつか新しい両腕を移植してもらいたいという希望を抱くようになりました。ある日、彼はフランスのジャン・ミシェル・デュベルナール博士の医療チームが、世界で初めて手の移植手術を行ったというニュースを耳にします。腕全体ではなく手の移植でしたが、その手術は成功しました。彼は自分の腕と人生を取り戻してくれるかもしれない人物を見つけたのです。

2007年にフェリックスはその外科医に連絡を取ります。それから何年もかかりましたが、デュベルナール博士は彼の手術を引き受ける用意があると回答しました。

しかし、フェリックスには時間と何よりもお金が必要でした。「手術には12万から15万ユーロ、それからリハビリに月5万ユーロかかると言われたんです。そんなお金はありませんでした」とフェリックス。

フェリックスは、アイスランドの人々に救いを求めました。そして祖国の人々の寛容さに圧倒されます。人々の寄付で手術費用と2ヶ月のリハビリ費用が集まったのです。

ついに2017年、フェリックスはアイスランドから南仏のリヨンに移り住み、手術を待ちます。しかし、手術には臓器ドナーとのマッチングと家族の同意が必要です。その時はなかなか訪れませんでした。しかし、長い待ち時間の間に現在のパートナーとなるシルヴィアとの出会いがありました。

2021年、何年も待った末にようやく彼の願いが叶えらる時が訪れました。フェリックスは、世界初となる両腕移植を受けたのです 。

「最初はとても奇妙な感じがしました。肩の上にトラック2台を乗せられたような痛みがあって。でもすぐに慣れました。今では私の腕です!」と49歳の彼は嬉しそうに報告しています。

手にはまだ感覚はありませんが、肩、腕、手首を動かせるようになりました。娘たちを抱きしめることもできます。彼の回復の速さは驚異的だと医師たちは驚いています。

腕の肌の色も、少しずつ彼の肌色と同化し、腕には小さな毛も生えてきました。フェリックスは今、自分の体をコントロールできるようにリハビリに全力を注いでいます。

「夢があるなら、決してあきらめてはいけない!」とフェリックス。その言葉の価値は、彼自身が完璧に証明してくれています。

出典: brightside

プレビュー画像:© Instagram/felix_gretarsson © Instagram/felix_gretarsson