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レジの女の子は理不尽な女性客の言葉に泣きだしてしまった。しかし上司の対応が、そこにいた全員を驚かせた。

数年前、レジ係のバイトをしていた女性はある忘れられない経験をしました。

Imgur/Mewp

「数年前、私は大学に通いながら文房具店でアルバイトをしていた。一緒に働いている人たちとは仲良が良かったし、仕事も楽しかった。

 この店が一番忙しくなるのは、子どもを連れた親たちで賑わう新学期前の時期だった。マネージャーたちがレジ応援に入るほどに混み合っていたその日、髪の毛をブロンドに染めた身なりのいい女性が私の列に並んだ。順番が来ると商品を放り投げるようにカウンターに置いた女性は、ブランドものの財布を取り出すと中からクーポン券を数枚取り出し、それも私に向かって投げるようにしてカウンターに出した。私は少し嫌な気分になりながらもちゃんと笑顔で対応を続けた。「お買い物は問題なくお済みですか?」という私の質問は無視された。携帯に何かを書き込む女性の横には、7歳くらいの娘らしき女の子が静かに立っていた。

 商品を全て読み取った後、女性の出したクーポン券を確認した私は、そのすべての期限が1年以上も前に切れていることに気付いた。期限が切れていなかったとしても女性が購入しようとしていた商品には適用できない種類のクーポンだった。私は女性にそのことをできる限り丁寧に伝えた。そしたらこんな言葉が返ってきた。

『どうして?それはクーポン券でしょう?客が出すクーポンが受け取れないってどういうことよ』

その後も私がいくら説明しても納得してくれず、女性は怒り出してしまった。

「あなたと話をしていても時間の無駄だわ!マネージャーと話をさせなさいよ」

 しょうがないので私は近くにいたマネージャーに来てくれるようにジェスチャーをした。マネージャーが小走りで向かってくる間、女性が娘にわざと優しい口調でこんなことを言った。

「ほら、分かる?ちゃんと大学に行って教育を受けないと、この子みたいにレジで働かなきゃいけなくなるのよ」

 信じられなかった。驚きと悔しさで顔が火照って、不意に目に涙が溢れてきた。私は大学に通っているし、これはアルバイト。それに、ここで働いている人たちは皆まじめな人ばかり。私が言いたいことは、ひとつも言葉にならなかった。私は彼女の迫力に圧倒されてしまっていたのだと思う。

 すると、そのときすでに私の後ろに来ていたマネージャーが、もう一度同じことをおっしゃってくださいと女性に聞き返した。女性はまた私を馬鹿にした上、お客を大事にしなきゃいけないと説教をたれ、クーポンを適用すべきだと再び繰り返した。

 マネージャーは女性をまっすぐ見つめたまま数秒間何も言わなかった。そしておもむろに、女性の商品が入った袋から商品を取り出し始めた。

 女性が金切り声を上げた。

『一体何のつもりよ?』

 マネージャーは落ち着いた言葉で女性に向かってこう言った。

『あなたが私の大切な部下を馬鹿にするのを、黙って見ているわけにはいかない。今すぐ店から出て行ってください。今後のご来店もどうかご遠慮ください』

 そこにいる全員が女性を見つめた。その後、女性はひどい癇癪を起こし、赤い顔をしながらいろいろ叫んでいた。ひどい金切り声で内容がうまく聞き取れないほどだった。女性の娘といえば、前と同じ場所に立ち尽くしたままだった。

『二度と来ないわよ!あなたたちの上司に電話して、全員クビにしてやる!私が誰だか知らないの!?』

 女性は古典的ともいえる捨て台詞を吐くと、カウンターに散らばっていたクーポン券を掴み、もう片方の手で娘を手をとって引っ張るようにして店を出ていった。

 マネージャーは余裕の様子だった。私を見ると、笑顔で少し休憩に出てくるように声をかけてくれた。そのとき私は、きっとバケモノでも見たような顔をしていたんだと思う」

数年たった今も、女性はこの店長の人柄が忘れられないといいます。理不尽な申し出に屈することなく、きっぱりと部下を守ったマネージャー、カッコいいですね。こんな人の下で働きたい!