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アンビリーバボー

「退屈すぎて」勤務初日で1億円の絵画に目を書いた監視員

学生の頃使用していた教科書やノートを開いてみると、ページの端々に落書きが見つかる人も多いのでは?「何考えてたんだろ…」と恥ずかしくなりもしますが、授業中に寝落ちしないための苦肉の策だったともいえます。

今回は、退屈すぎて精神が崩壊したのか、1億円の美術品に落書きしてしまった男性の話題をご紹介します。

ロシアのエカテリンブルグの美術館、エリツィンセンターで監視員として雇われた60歳の男性はこの日、勤務初日を迎えていました。

美術に造詣の深い人にとってはこれほど素晴らしい仕事はないのでしょうが、そうではない人にとってはまさに苦痛。ひたすら静かな空間で美術品を眺める人を監視するだけ…。それほど来場者がいなかったのでしょう、60歳のこの男性は勤務初日で早くも退屈すぎて精神の限界を迎えたようです。

制服の胸ポケットからボールペンをおもむろに取り出し、絵画に“修正”を加えたのです。男性が筆を加えたのは、ソ連時代の前衛アーティスト、アンナ・レポルスカヤの作品。1934年に発表された「3人の人物」と題された作品は、表情のない人物3名の抽象画です。

「これはないだろう」監視員の男性は、この絵を未完成と判断、目を書き入れることにしたのです。ちなみにこちらの絵画は、約1億円の保険金がかけられている代物。

後方の2つの人物像に目を書き入れたとき、男性は我に返ったのでしょうか、それとも誰かが近づいていたのでしょうか。中央の人物像には目を入れず、その日は帰宅します。しばらく誰にも気づかれることはありませんでしたが数日後、来場者がとうとう指摘します。

美術館は監視員の男性に連絡を取ろうとしますが、男性が一切応答しようとしないことから、この男性の犯行が明らかになったそうです。

Gnadenlose Waffe ...

幸いにも男性の筆致は弱く、現在絵画の補修作業が行われています。「男性の動機は明らかではないが、精神に異常をきたす直前だったのだと思う」と美術館キュレーターのアナ・レシェトゥキナはメディアの取材に応じています。

美術館の監視員という仕事を軽く見ていたこの男性、現在裁判中で、有罪判決が出れば罰金と禁固刑が科せられるそうです。

罪を償った男性には、今度こそぴったりな職業が見つかるとよいですね。

出典: bbc

プレビュー画像: ©Twitter/@RaminNasibov ©Twitter/@derekbeaulieu