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コロナで清掃の仕事を失った女性|無給で働き続けた彼女に信じられない結末が待っていた
人はストレス下に置かれると、いつも逃避的になってしまったり、利己的になりがちだと言います。そんな時は、つい他人の幸せが大きく見え、自分の苦しみを大きく感じるものです。
しかし、人は辛い状況でこそ誰かを助けることで、ネガティブな感情に打ち勝つ力が湧いてくると心理学者や海外の大学の研究で明らかになっています。
アメリカ・ニューヨークである高級マンションの清掃員として働いていたローザさんは、コロナウィルスの影響により、一時的ですがその職を失うことに。収入が減ってしまった彼女は、住んでいた部屋の家賃を払うことができなくなり、妹の家に身を寄せてこの状況を耐えていました。しかし、20年もの長い間そのマンションで清掃員として働いたローザさんにとって、毎日マンションへ通わないという選択肢はありませんでした。
マンション住人たちにとっても、20年間毎日笑顔で働いていたローザさんは大切な存在。
そして彼女にも、自分が彼らに必要とされていることがわかっていたのです。そのため解雇以降ローザさんは無給にもかかわらず毎日マンションへ掃除に通っていました。2021年1月のある日、いつものようにマンションにやって来たローザさんですが、マンションの管理会社の男性に連れられ、最上階フロアへと向かいました。
「新しい住人を募集する前に、私がこの部屋を掃除するのね」
リフォームが終わったという部屋を案内された彼女はそう思っていたそうです。その最上階の部屋は、4つの寝室に3つのバスルーム、そして大きなテラスまでついた230平米もの広さをしており、ローザさんも興奮ぎみ。
ひと通り部屋を案内された後、スタッフの男性が彼女に話し始めます。
「ここの住人たちから、あなたがとても懸命に彼らのために働いてくれていることを聞きました。みんなあなたの大ファンで、あなたのことが大好きなんです。あなたはこのマンションの有名人なんですよ。この1年は、あなたやご家族にとって大変な年だったことも知っています。おそらく経済的に苦しい状況でいらっしゃると思います」
「あなたの存在はマンションの住人たちにとってとても大きく、彼らはあなたに何かお返しがしたい、とのこと。ここにこの部屋の2年間の賃貸契約書があります。あなたのファンがお金を出し合って2年分借りています。必要なのは、この書類にサインをしてカギを受け取るだけ。この部屋はあなたのものです」
この話にローザさんは信じられないという表情。
「清掃係を雇わなくちゃいけませんね」ともう一人の男性から声を掛けられ笑顔が戻ったローザさんですが、信じられないサプライズに感激が止まらない様子でした。
マンションの住人から信じられないようなプレゼントを受け取ったローザさん。きっと20年間毎日彼らを見守り続けた彼女の太陽のような笑顔は、住人たちにとってなくてはならない存在だったのでしょう。ローザさんにとっても、マンションへ通うことは、彼女を支えた大切なライフワークの一つだったに違いありません。
この動画の全編は以下より見ることができます。(英語音声のみ)
それぞれ状況は違えど、困難に直面した時に互いを助け合える、そんな社会であることを願うばかりです。
プレビュー画像:©︎Facebook/Adam Trent