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「一生を人間のために働き続けたロバのために」引退ロバの楽園を設立した女性

穏やかな性格で働き者で知られるロバは、多くの国で重要な労働力として人々の生活を支えてきました。そんなロバたちは一方で過酷な労働を強いられている現状があります。

スペイン人女性アマヤ・イサートは、スペインのマラガ県ミハスで、1年半ほど前「ドンキー・ドリームランド(ロバたちの夢の国)」を設立しました。ここで飼われているのは、酷使された末に病気のまま放置されたり、劣悪な飼育環境から救出された22頭のロバたちです。

ドンキードリームランドを設立する前、アマヤは20年以上にわたり、クルーズ船や豪華ヨットのシェフとして7つの海を渡り歩いてきました。また、タイのレストランでは料理長を務め、シルク・ドゥ・ソレイユのワールドツアーではアーティストのために料理を作りました。しかし、アマヤの心は常にロバに向けられていたといいます。

「私がロバに人生を捧げようと思ったのは、夏にアルプハラ山脈でロバとたくさんの時間を過ごした子どもの頃の美しい思い出が影響しているのかもしれません」と、アマヤはインタビューに答えています。

 
 
 
 
 
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ドンキードリームランドの敷地は2ヘクタール以上あり、厩舎といくつかの牧草地があります。22頭のロバの世話をするために、20人のボランティアがアマヤをサポートしています。主な収入源は寄付金と入場料。来場者はロバを散歩させたり、ブラッシングや餌やりをしたり、ロバたちと触れ合うことができます。

「収入の98%を、イギリス、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドからの観光客に頼っています。かつてここでの生活に欠かせなかった動物に対する意識が、スペイン人たちの間でこれほど低いのは悲しいことです。基本的には海外からの寄付で成り立っているため、観光客の多いミハスの近くに土地を借りたのです」とアマヤ。

 
 
 
 
 
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ドンキードリームランドのホームページでは、アマヤがロバの聖地でどのようなビジョンを描いているのかがこう紹介されています。

「ドンキードリームランドは、ロバが痛みや苦しみから解放され、穏やかで落ち着いた環境の中で愛情と敬意のある人々に囲まれることを目的としています。ロバは私たちに忠実に仕え、私たちのために懸命に働き、時には虐待されてきた歴史があります。私たちは、ロバたちの尊厳を取り戻すと同時に、教育や交流を通じて支援を行い、ロバたちの窮状に対する理解を深めたいと考えています」

 
 
 
 
 
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かつて人間のために働き、人間に虐待され傷ついたロバたちは、ドンキードリームランドで人間への信頼と友情を取り戻しつつあります。そのために、アマヤは人間とロバがお互いに敬意をもって歩み寄り、一緒に楽しむことができるようにすることを大切にしています。

ドンキードリームランドでは、障害や自閉症をもつ子どもたちのためのセラピープログラムも提供しています。ロバは馬と同じく、精神や身体に障害を持つ人の精神を安定させることがわかっています。ロバは非常に繊細でコミュニケーション能力の高い動物。特に子どもたちを相手にすることで、その能力を開花させることができる、とアマヤは説明します。

 
 
 
 
 
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「ロバは人に対して、特に子どもたちに対して、非常に強い共感を持っています。私たちのところに遊びに来た子どもたちは、すぐにロバとのつながりを感じます。ロバは人の心をまっすぐに感じることができるのだと思います」

 
 
 
 
 
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これまでのキャリアや成功をすべて捨てて、大好きなロバのために人生を捧げるという大胆な行動に出たアマヤ。しかし、そのおかげで22頭のロバは恐怖や暴力を感じることなく農場で穏やかに過ごすことができています。

スペインに旅行に行く際には、ぜひドンキードリームランドの訪問も計画に入れてみてはいかがでしょうか?

 

プレビュー画像: ©Instagram/donkeydreamlandmijas ©Instagram/donkeydreamlandmijas