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男性は毎週末の午後2時ピアノを弾いた その壁の向こうにいたのは…結末に鳥肌が立つ

ライフスタイルの多様化により、地域間や家族間の繋がりが薄くなりつつあると言われる現代。ご近所付き合いも昔ほど盛んではなくなりました。面倒なご近所トラブルなどのニュースを耳にすると、顔を合わせれば挨拶をする程度で、それ以上は関わらない方がいいな、なんて思ってしまいますよね。

イギリスに暮らすジョルジオ・ル・ポルトさんは今年1月下旬、アパートの隣に引っ越して来た隣人の奏でるピアノの音に気がつきました。自身もピアニストであるジョルジオさんはその美しい音色に耳を澄まします。

@giorgio_lp_

So good 😍 ##fyp ##foryou ##music ##piano ##love ##foryoupage ##neighbours

♬ original sound – Giorgio Lo Porto

そこでジョルジオさんは、まだ見ぬ隣人に手書きのメモを残すことに。

「あなたのピアノ演奏をすごく楽しんでいます。よろしければ『My Heart Will Go On』を弾いていただけませんか」

そして、手紙の返事の変わりに聞こえて来たのが、この演奏でした。聞こえてくるのは、映画タイタニックの主題歌で有名な「My Heart Will Go On」でした。(音をオンして聞いてみてください)

@giorgio_lp_

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♬ original sound – Giorgio Lo Porto

この翌日、ジョルジオさんは演奏に対しお礼のメモを残しました。すると今度は隣人からも「とても楽しかったです、今後もこの交流を続けましょう」と返事が。こうして、顔も知らぬ隣人同士、毎週末午後2時に壁越しでのピアノ交流がスタートしました。

ジョルジオさんは隣人に、自分が演奏をしてストップしたら、続いて演奏をしてくださいと、2人でデュエットをすることを提案。最初は本当にこのデュエットが実現するか、半信半疑だったジョルジオさんですが、演奏をストップした後に、まるで待っていたかのようにすぐさま壁の向こうからピアノの音が聞こえて来ました。

@giorgio_lp_

It was really fun ##fyp ##foryou ##music ##piano ##neighbour ##duet ##love ##foryoupage

♬ original sound – Giorgio Lo Porto

コロナ禍でのロックダウンにより人と会うことができなかった週末を過ごしていたジョルジオさんでしたが、この隣人とのピアノでの交流は彼の気持ちを明るくてくれるものでした。同時に、隣人にも「一人じゃない」というメッセージを込めてピアノを弾いていたと言います。

@giorgio_lp_

Lockdown weekends hit different now 🎶 ##fyp ##foryou ##music ##love ##lockdown ##piano ##neighbour ##duet ##foryoupage

♬ original sound – Giorgio Lo Porto

そしてついにデュエットを始めてから2週間後、ジョルジオさんは隣人と顔を合わせることに。隣人の素顔はジョルジオさんの想像を超えるものだったのです。

@giorgio_lp_

I wasn’t surprised – I knew there was a special soul behind that wall ##fyp ##foryou ##music ##neighbour ##love ##piano ##foryoupage

♬ original sound – Giorgio Lo Porto

「彼の名前はエミール。ポーランド出身の78歳の男性で家が売れるまでの間、一時的にこのアパートに越して来た。彼は12月に奥さんをコロナで亡くし、手元に残したのは奥さんが愛したピアノだけ。毎週末午後2時にピアノを弾くのは、彼のピアノが大好きだった奥さんと、ずっとそうしていたから」

TikTok@giorgio_lp_

そして対面時にエミールさんは、ジョルジオさんにピアノを弾く気持ちを起こさせてくれたことや、デュエットのおかげで妻を亡くした孤独な気持ちが和らいだことを感謝したそうです。ジョルジオさんも、そんなエミールさんに引っ越すまでこのデュエットを続けることを約束。

ジョルジオさんにとっても安らぎとなったピアノでしたが、エミールさんにとっても同様に、またはそれ以上に喪失感でいっぱいの心を埋めてくれるものだったのです。「My Heart Will Go On」はエミールさんにとって妻との思い出の曲でした。

@giorgio_lp_

We feel the love from all of you #fyp #foryou #piano #music #neighbour #uk #foryoypage

♬ original sound – Giorgio Lo Porto

そんなエミールさんの姿にインスピレーションを受けたジョルジオさんは、彼にとって初めてとなるオリジナルの曲を作り始めます。それは隣人であるエミールさんに捧げた曲でした。「Dear Emil」と題したその曲には、エミールさんのストーリー、そしてジョルジオさんが感じた音楽の持つ素晴らしさへの想いが込められています。

@giorgio_lp_

Tik tok do your thing #fyp #foryou #piano #music #challenge #love #original #foryoupage

♬ original sound – Giorgio Lo Porto

こうして完成に向けて曲作りを続けるジョルジオさんに、一時的に引っ越して来たエミールさんとの別れの日が訪れます。2人は互いに感謝し、これからも距離はできるものの週末にピアノを弾くことを約束しました。

@giorgio_lp_

💛 #fyp #foryou #piano #music #neighbour #original #love #foryoupage

♬ Dear Emil . Giorgio Lo Porto – Giorgio Lo Porto

 

しかしその2週間後、エミールさんが他界したとの知らせがジョルジオさんに届いたのです。夜眠りについたエミールさんは、その後目覚めることはなかったそうです。彼は静かに妻の元に旅立ったのでした。

生前、エミールさんはコロナで妻を亡くした辛い日々の中で、ジョルジオさんは、光のような存在だったと言っていたそうです。しかし、それはジョルジオさんにとっても同じでした。短期間ではあったものの、ロックダウンで閉ざされキツい日々を送っていた中でエミールさんは彼に一筋の光と、そしてピアノへの情熱を再び灯してくれた存在でした。顔が見えずとも、壁越しにつないだ友情は互いを勇気づけ希望となる存在にまでなっていたのです。

この2人の心温まるストーリーは、ここで終わりではありませんでした。エミールさんの死後、ジョルジオさんが彼のために作った「Dear Emil」が、音楽ストリーミングサービスSpotifyで配信されることに。天国のエミールさんもきっと誇りに思っているはず、とジョルジオさんは驚きと喜びを綴っています。

 
 
 
 
 
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まるで物語の一節であるかのような、ピアノがもたらした2人の思わぬ出会いと結末。2ヶ月という短い間ではあったものの、2人にとって忘れられない大切な時間となりました。きっとエミールさんはこの先もずっと天国から妻と共にジョルジオさんの奏でるピアノに耳を傾けていくことでしょう。

プレビュー画像:©TikTok@giorgio_lp_