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考えさせられる

リベンジポルノ:自分のプライベート画像の拡散の恐怖

スマホで撮影したプライベートな写真を交換するカップルは少なくありません。プライベートな画像を交換することは信頼の表現でもあるのです。でも、二人の関係が破綻したときに元パートナーに怒りをぶつけるためにこうした画像が使われることがあります。

元恋人や元配偶者の裸や性的な状況を写した写真や動画などをインターネット上に流出させる嫌がらせ行為を「リベンジポルノ」と呼びます。

そんなことする人がいるの?と思うかもしれませんが、近年、リベンジポルノは大きな社会問題になっています。

撮影された人の意思に反してプライベートな画像を広めることは、残酷な性的暴力ですが、被害件数は年々増えています。スマホの普及により、人には見せられないような写真や動画を気軽に撮影できるようになったことが大きな要因です。また、被害者が知らないうちに、あるいは同意なしに隠しカメラで撮影された動画や写真が公開されることもあります。

ネット上に公表された画像は、不特定多数の人に見られるばかりか、ダウンロードされるなどして拡散します。一度流出した画像の回収は非常に難しく、事実上不可能です。

ときには、動画に付けられたコメントに、映っている女性のフルネーム、住所、勤務先が書かれていることすらあります。リベンジポルノが被害者の精神に与える影響は壊滅的なものです。屈辱的な感覚は自意識に長く残り、多くの被害者が精神疾患に悩まされ、異性との新たな関係構築が難しくなります。

また、リベンジポルノによって、人間関係、そして仕事上の評判も脅かされます。なぜなら、人前に出る仕事や会社を代表する仕事は、このような画像によって妨害される可能性があるからです。

このような背景から、日本では2014年11月にリベンジポルノ防止法(正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律案」)が成立しました。

この法律では、男女間の復讐目的以外でもプライベートな写真等を公開した場合は取締りの対象となり、有罪になると懲役3年以下もしくは50万円以下の罰金が課されます。

この法律は、プライベートな画像の拡散は単純な著作権侵害ではなく、被害者に対する直接的なデジタル暴力であることを規定し、罰則を厳格化することで被害を防止することを目的としています。

しかし、被害者となった女性の多くは、写っているのが自分だと認めることを恥じ、通報や起訴に踏み切れず泣き寝入りしています。自分の裸の写真を誰かに送ってしまった自分の甘さを責めてしまう人も少なくありません。

しかし、誰かを信頼することは決して恥ずかしいことではありません。そのような信頼を濫用した人こそが恥ずべきなのです。

リベンジポルノの被害者になってしまったら、リベンジポルノへの対応に実績のある弁護士に相談することをお勧めします。弁護士を通すことで、直接相手と顔を合わせる必要なく、画像等の削除依頼や慰謝料請求などを正当な手続きで進められます。

また、リベンジポルノの通報を受けて画像や動画の削除依頼を代理で行ってくれるセーフラインや相談窓口もあります。

出典: theguardian

プレビュー画像:© Facebook/NBC LA © Facebook/FOX 26 Houston