ちえとくをフォローする

トリビア

【やっちまったな!】16世紀の文化遺産を教会が無断で修復。結果、悲惨なことに…

ヨーロッパには数世紀の歴史を誇る石造りの教会や大聖堂が数多く存在します。地震被害が少ないため建築当時のままの姿を留めている建物が多く、歴史的価値のある宗教芸術を現在も教会内で気軽に目にすることができます。今回の事件の舞台となったスペイン、ナバラ州エステーリャの聖ミカエル教会もそんな歴史ある教会の一つでした。

事件の主役はミカエル教会内部に設置されていた聖人サン・ホルヘ(聖ゲオルギオス)像。16世紀に作られた、聖人サン・ホルヘがドラゴンを退治する姿を表した歴史的価値の高い彫像にとんでもない災難が振りかかったのです。

ことの起こりは長い年月により施された彩色が退色した彫像の修復を教会が依頼したことに始まります。しかし教会は、独断で市当局に相談することなく、歴史芸術の修復専門家ではなく工芸家に依頼してしまったのです。…嫌な予感がしますね。

そしてその結果、歴史敵文化価値のある彫像はすっかり別の姿に様変わりしてしまったのです!

素人目に見ても、明らかに様子がおかしいことは明らかです。お顔のアップをご覧ください。

twitter/Isrrael Villablanca

なんだか顔料をべったり塗りたくったよう…

「本来修復に使われるべき漆喰顔料とは異なる塗料が使われてしまい、オリジナルの彩色が損なわれてしまった。専門家により修復されるべきだった」と歴史芸術修復の専門家はコメントしています。

たしかに、古いテーマパークとかにありそうな気もします…

「ハイヤー!」

「素晴らしい歴史や芸術、建築や文化遺産ではなく、聖人サン・ホルヘ像へのとんでもない冒涜的行為のためにエステーリャが注目されることになってしまった」同市のコルド・レオス市長はTwitterに嘆きのコメントを投稿しています。まあ…そうでしょうね。すっかり変わり果ててしまった彫像に、さぞかし驚愕したことでしょう。

スペインといえば、以前にも教会の熱心な信者の手により勝手に修復が施された珍事が記憶に新しいところです。ボルハの教会のフレスコ画「Ecce Homo(この人を見よ)」に対するとんでもない修復ですが、かえって話題を呼び、観光客を呼び込む観光の目玉となっているそうです。

エステーリャ市は専門家に依頼して再修復が可能かどうかを調査する予定です。おそらく現在、教会内で浮きまくっていること間違いないこの歴史的彫像。行く末が気になるところです。