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えらい

このクッキーをSNSに投稿し批判を受けたベーカリーは注文までキャンセルされてしまう そして翌日店の前は凄いことになっていた

毎年6月はプライド月間と言われ、多様なセクシュアリティを称え世界各地でLGBTQ+の権利について啓発を促すイベントやパレードが開催されます。

プライド月間の原点とされるのは、1969年6月、アメリカ・ニュークのゲイバーで起きた警察の理不尽な取り締まりに対する、同性愛者の初めて抗議、そして暴動となった「ストーンウォールの反乱」と呼ばれる事件。この事件が、当時のゲイ解放運動が盛り上がるきっかけとなり、翌年にニューヨークで初のプライド・パレードが行われました。以降、アメリカだけでなく、ヨーロッパ・アジアなどで様々なイベントが開催されるように。日本ではNPO法人東京レインボープライドが毎年イベントを開催しています。

 
 
 
 
 
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またこの期間中はイベントだけでなく、企業もLGBTQ+の象徴であるレインボーカラーを使った商品やサービスを展開し、多くの人がLGBTQ+の権利や文化、コミュニティー を知るきっかけを作っています。

アメリカ・テキサス州ラフキンにあるベーカリー「コンフェクションズ」も、そんなプライド月間にLGBTQ+コミュニティを支援しようと考えたお店の一つ。6月に入ってすぐ、LGBTQ+の象徴であるレインボーフラッグを模したハート型のアイシングクッキーをプライド月間に向けたメッセージと共にFacebookに投稿しました。

「もっと愛を。憎しみは減らそう。LGBTQの人々へ、ハッピープライド!クッキーとハッピーを愛する人たちがお店に来てくれたら嬉しいです」

しかし、プライド月間を記念して作ったレインボークッキーの販売をお知らせしたこの投稿は、コンフェクションズの思いを裏切るように思わぬ方向に。レインボークッキーの投稿後、コンフェクションズには批判のメッセージが寄せられ、さらには大量注文のキャンセルまでされてしまう事態になっていたのです。

翌日のFacebookでは苦しい胸の内を明かしています。

「今日はとてもハードでした。本当に。レインボークッキーを投稿したことで、多くのフォロワーを失ったのです。誹謗中傷メッセージが届き、そして明日の朝に受けていた、大量のサマークッキー(さっきアイシングのデコレーションが終わったばかり…)もキャンセルされてしまいました。

心がずっしり重いです。正直なとこ、『憎しみよりももっと愛を』と語った投稿がこんな結果を招くなんて思ってもいませんでした。私たちは、なんとかやりくりしながら、焼き菓子を通じて少しでも人々を元気づけれたらと奮闘している小さな企業です。

つまり、明日はこの通りクッキーがたくさん余っているので、もしクッキーが好きならお店に来て下さい。明日は今日よりも素敵な日になりますように❤️

辛い心境を明かしながらも、何とか気持ちを切り替えようと明るく締めくくった後、事態は急展開を見せることになります。この後コンフェクションズの投稿は、世界中の人々にシェアされ、多くの人々から応援のメッセージが寄せられただけでなく、翌日お店の前には多くのお客さんがクッキーを求め長蛇の列を作っていました。

その日用意したクッキーは閉店を待たずして売り切れたそうです。

翌日もクッキーは売り切れ、さらに買うものがないことから寄付を申し出ると言うお客さんまで現れます。お客さんの了承を得てお金を地元の動物愛護団体に寄付することにしたとのこと。

11年前にオープンして以降、こんなことは初めてだと語る共同経営者のミランダさんとドーンさんは、Facebook上で多くの支援と温かい言葉に感謝を伝えています。

「皆さんからの溢れんばかりの愛に、ただただ感謝でいっぱいで、感動しています」

その後も、コンフェクションズには多くの人がクッキーを買い求めて来店し、寄付も多くあったため、今後は動物愛護団体の他にも地元の介護施設や慈善団体にも寄付をしていくそうです。

「もっと愛を。憎しみは減らそう」コンフェクションが発したメッセージは当初こそ批判を受けてしまいましたが、それを押し除けるようにもっと多くの愛が世界中から寄せられました。このベーカリーがこれからも世界中から、また地域の人々から愛されていきますように。

プレビュー画像:©︎Facebook/Confection