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治癒不可の難病を抱え、少年は歩くことも話すこともままならない状態だった。ある日、この有名人と出会って全てが変わった。

ここ数ヶ月にわたり、ネパールの辺境に住む11歳の男の子はSNSを通して世間の注目を集めてきました。男の子の名前はラメッシュ・ダージ。同じ年頃の子供達と比べ、ラメッシュの人生は苦難に満ちたものでした。身体が少しずつ「石化」するという極めて悲惨な症状を抱えているのです。

ラメッシュが誕生した当時、正常な新生児と変わりない健康な姿に両親は喜びに包まれました。しかし、生後15日目から母親のナット・クマリは息子の皮膚が剥がれ落ち、分厚いカサブタのように硬化した皮膚が全身を覆っていくことに気づきました。両親はラメッシュを複数の病院に連れて行きましたが、医師ですらこれまで目にしたことのない症状に診断が下せない状況でした。

Youtube/JossStoneOfficial

いくつもの病院を巡り、ようやくラメッシュの疾患を説明出来る医師に出会うことができました。そこで判明したことはラメッシュは非常に希少な魚鱗癬の一種を患っていることが判明します。通常の7倍の速さで皮膚が形成されてしまう皮膚疾患です。ラメッシュは、魚の鱗のように幾重にも重なり硬化した皮膚に覆われていました。疾患の根本的な治療は未だ確立されていませんが、医療処置で症状を緩和することは可能でした。しかし残念ながらそうした医療処置は高額であり、月収がわずか7,000 ネパールルピー(2017年3月約7,500円)は、この一家には到底支払える額ではありませんでした。

ラメッシュのためにこれといった対応策が取れないまま、症状は着実に悪化していく一方でした。5歳になる頃には脚の分厚く重なった皮膚のため歩行が困難になり、ラメッシュは絶え間ない痛みに苦しみました。さらに、他の子供達はラメッシュを怖がり避けるようになります。外部から隔離され引きこもった生活を送るラメッシュは空腹の際とトイレに行きたいときのみ、唯一の交流相手である両親に意思を伝えるのでした。

「実の親である私たちにすら、息子の面倒を見ることは困難な状態でした」と、母親は認めてます。

Youtube/JossStoneOfficial

しかし、偶然にも村を訪問したカトマンズ支局の女性レポーターが、自宅外に佇むラメッシュを目撃したことから全ての状況は変わります。

レポーターがラメッシュについて作成したビデオ映像はSNS上で話題を呼び、ネパール人歌手のサンジャイ・シュレスタの目にとまりました。当時、イギリスの歌手ジョス・ストーンとコラボレーション活動をしていたサンジャイは、ジョス・ストーンにラメッシュのエピソードを紹介しました。人道支援活動でも知られるジョス・ストーンは強く心を打たれ、ラメッシュ家族に援助を申し出たのです。

Youtube/JossStoneOfficial

現在ラメッシュはカトマンズ大学病院で医療治療を受けています。さらにクラウドファンディングサイトGoFundMeを通じて、20,000ドル(2017年3月現在、約230万円)を超える寄付金が長期的な治療費用のため寄せられました。家族の支えと医療専門家、人道支援に熱心な歌手や人々の善意に支えられ、ラメッシュの未来は明るいものになりつつあります。ジョス・ストーンは多忙な合間を縫って、実際に入院中のラメッシュを見舞いました。これまでに幾度となく困難な状況の人々に支援の手を差し伸べてきた歌手は、自身の支援活動基盤である財団「Stone’s foundation」を通してこれまで世界中で200以上の慈善活動に取り組んできました。

ラメッシュについてこちらから視聴できます(英語音声のみ):

ラメッシュと両親はこれまで厳しく困難な年月を送ってきました。しかし善意ある支援のおかげで、これまでラメッシュと両親が願い続けてきた「より良い生活」を手にする機会にやっと恵まれたのです。