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【あの行為が命取りに!?】1日に65人の命を奪ったインドの落雷…犠牲者23人の共通点を知って震えた

夏本番を迎え、すでに全国各地で30度以上の真夏日や35度超えの猛暑日が記録されており、今年の夏も厳しい暑さが予想されています。

暑い夏の風物詩といえば、「入道雲」ですが、実はこの入道雲の下は激しい雷雨。あのモコモコ嵩高い入道雲の正体は雷を生み出し激しい雨を降らせる積乱雲なのです。外出先で、予期せぬ雷雨に見舞われ雨宿りする羽目になる…なんてのも夏場にありがちな展開です。

夏の風物詩「入道雲」の下は危険な雷雨

雷が接近している場合、屋外にいることは大変危険。雷は高い所へ落ちる傾向が強いため、運動場やゴルフ場、屋外プールやビーチ、海上などの開けた場所や、山頂や尾根などの高いところなどでは、人に落雷しやすくなるのです。(木の下での雨宿りも雷雨の際は大変危険です)

Lightning strikes

7月10日、インド北部に位置するウッタル・プラデーシュ州とラジャスタン州で落雷が多発。政府当局の発表によると、 両州だけで少なくとも65人が犠牲となりました。

州の災害管理担当者によれば、犠牲者の多くはウッタル・プラデーシュ州のひらけた農地で働いていた農家や屋外で働く建設作業員とこのとですが、一方、ラジャスタン州の犠牲者の多くはジャイプル市郊外の人気観光スポットであるアメル・フォートを訪れていた観光客であったことが明らかになっています。

Amber Amer Fort 2

雷雨の中、犠牲者23人がとっていた行動

犠牲者23人は、観光名所アメル・フォートの中でも絶景スポットとして知られる12世紀建造の監視塔の上で、雷雨の中、自分撮りをしていました。

ジャイプル市災害管理課の職員がメディアに語ったところによると、落雷当時、27人が塔と砦の壁の上にいて自撮り撮影をしていたところ、落雷で塔の壁の一部が崩れ、多くの人がその下に埋もれてしまいまったそうです。また、生存者の証言によると中には塔の上で落雷の直撃を受けて亡くなった人もいました。

CG lightning strike

高い監視塔の上に立ち、スマホや携帯電話を高く上げて自撮りに興じる人々が自ら「避雷針」として落雷を誘導する役割を果たしてしまったようです。

金属を用いたスマホや携帯電話に雷が引き寄せられたとの指摘もありますが、雷は通電しやすさとは無関係に地面からの突出物に目がけて落ちる性質があるため、雷雨の際に高い場所に立ち手をさらに上にあげる行為がいかに危険であるか、今回の悲劇から改めて気が付くことができます。

警察幹部の発表によると、塔で亡くなった犠牲者の中には若い人が多く、雷雨が去った直後は塔周辺に犠牲者の遺体が転がるなど痛ましい状況でしたが、現場から救助された11人の容体は安定しているそうです。

インド政府の統計よると、インド国内での落雷によって毎年平均して約2,000人が亡くなっており、事態を重く見たモディ首相はツイッターで哀悼の意を表し、政府が犠牲者と負傷者の家族に金銭的支援をすることを発表しました。

lightning

屋外で雷が接近した際の対処法

出先で雷雨に遭遇してしまった場合、安全な屋内や車内(オープンカーやゴルフカートは除外)へ避難することができなければ、自らが雷を呼び寄せる突出物になることを避けなければなりません。

傘やゴルフクラブ、釣竿など長い物を頭よりも高い位置にかかげる行為は雷を誘引する可能性が高めるため避けましょう。木の下だけでなく、軒先での雨宿りも建物に落ちた雷の直撃を受ける可能性があり、大変危険なので絶対に避けてください。(建物の内部に避難しましょう)

屋根と柱だけで壁のない「あずま屋」風の建物や、テント内も大変危険です。キャンプなど屋外でのレジャー時に雷が接近したら、すぐに車内や近隣の建物内部に避難しましょう。

グラウンドやゴルフ場などの開けた場所や海や山にいる場合、高い場所からは移動し、木の付近は避け、姿勢を低くしてしゃがみ込むような体勢をとりましょう。体勢を低くするために、腹這いになるイメージがありますが、地面に腹ばいになる姿勢は、付近に落雷した際に歩幅電圧による心臓への通電の可能性が高くなるリスクがあるので、避けましょう。

子供の頃から幾度も聞いたことのある雷対策。耳にタコ状態で分かってはいても、帰り道に激しい雷雨に遭遇したら、ついつい傘を差して足早に帰りたくなる気持ちもあります。思わぬ雷雨の増える季節、出先での雷対策として心に留めておきたいですね。

 

プレビュー画像: ©️flickr.com/Jean and Fred