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ジーンとくる話

【幼くして「金づる」にされ…】観光客と記念撮影に利用された子ライオンの悲劇

わずか生後数週間で母親から引き離され「金を生む道具」として利用された子ライオン。ビーチで観光客との記念撮影中に逃げ出すことのないよう、後ろ脚を故意に骨折させられた上に、日常的に虐待を受けていました…

ロシア連邦・ダゲスタン共和国の首都マハチカラで2020年3月、鎖に繋がれた状態の子ライオンが保護されました。子ライオンを治療した獣医により、これまで幼いライオンが受けてきた残酷な仕打ちが白日のもとに晒され、波紋を呼んでいます。

ロシア人獣医のカレン・ダラキャンによると、保護当時の子ライオンは後ろ脚を骨折させられ歩くことができず糞尿にまみれ、日常的な虐待に加え、満足に餌も与えられずすっかり衰弱していたそうです。

寒く暗い納屋の中で鎖に繋がれた子ライオンが外に出ることができるのは観光客との記念撮影のときだけ。幼くして「金づる」として搾取され、囚われの身にありました。

カレンによると、ロシアではリゾート地で観光客相手に記念撮影をするため野生動物を飼う写真家が後を絶たず、残念ながらこうした「逃げられないように脚を折る」ケースは決して少なくはないそうです。

カレンは子ライオンを「シンバ」と名付け、後ろ脚の手術やその他必要な治療を行ました。幸いにも子ライオンは歩くことができるようになったものの、後ろ脚の変形など虐待による後遺症は今後も残るそうです。

観光の金づるとして、幼くして地獄のような日々を送ってきたシンバ。ようやく虐待と搾取から解放されましたが、身体的後遺症のため今後野生のライオンとして大自然の中で暮らすことは絶望視されています。

旅先で野生動物の赤ちゃんと記念撮影する背景に隠された恐ろしい真実。「可愛い動物の赤ちゃんと一緒に写真を撮りたい」という需要が引き起こしうる悲劇について、私たちは知っておく必要があるようです。

環境保護活動家としても活躍するカレンの訴えはウラジーミル・プーチン大統領のに耳にも届き、今回の事件に関する捜査が進められています。

ライオンを死の危機から救った飼育係、ライオンの親友になるライオンの息の根を止め、笑顔のトロフィーハンターに衝撃の展開も是非ごらんください。

プレビュー画像: © Facebook/De Huesos Corazón El Cráneo a.c