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娘の携帯にショッキングな発見をした母親。娘がこんなことに巻き込まれることを想像もしていなかった母親は、このメッセージを世界に向けて発信した。

技術の進歩により私達の生活は恩恵を受ける一方で、弊害も被っています。「いじめ」を例に挙げると、オンラインを通して匿名の立場からいじめ対象の人物に嫌がらせをすることが可能となり、迅速な対応が困難なネット上のいじめという新しい形のいじめ問題が生じています。

唯一の解決方法は、教育です。子供の場合は、こうしたいじめ行為がいかに深刻なものであり、心に大きな傷を残す原因となることを学ばなければいけません。

イギリスのトーベイ出身のレイチェル・ハンブルトンは、5人の子供たちの母親であると同時に、育児に関する執筆活動を続けている作家でもあります。今年の2月、レイチェルは12歳になる娘のベッツィに宛てたメッセージをFacebookに投稿しました。

ベッツィは数年前、クラスメイトをいじめていました。それが発覚した際、母親レイチェルから受けた指導をベッツィは決して忘れることはありませんでした。そして今回、クラスメイトがネット上でいじめを始めたことを知ったとき、ベッツィはある勇気ある行動にでました。

投稿でレイチェルは、ネットいじめに対する問題意識を促すと共に、自分がいかに娘を誇りに思っているかを語っています。

以下、Facebookより抜粋

「親愛なるベッツィー

今朝、台所であなたが見せてくれたあるものは、私を動揺させ取り乱せました。一日中そのことについて考えずにはいられませんでした。

あなたの知っている人たちが、友達も含め、新しいオンライン”ゲーム”を始めました。
それは、”X”を誰かに送るゲームです。Xを送られた人は、送信者が知っている人の名前を書いて返信し、体重や外見、性格など、Xの人を馬鹿にする、考えうる限りのひどい言葉を書き込まなければいけません。内容が残酷であればあるほど良く、そしは匿名で誰もが閲覧しシェアできるSnapchatに公開投稿されます。知人や友人がなぜこのようなゲームをするのか理解できないあなたは、書かれている内容にショックを受けつつ、このいじめに加担する大勢の人物のコメントを幾度も見せてくれました。

あなたが中等学校に通い始めた頃、あなたの友達のお母さんから電話があり、あなたと他の女の子がその友達の昼食を取り上げて悪口を言ったと報告を受けました。それがたとえ悪ふざけであったとしても、その子にとっては屈辱的でショックな出来事であったと、お母さんは説明してくれました。電話の後、私は自分の学校生活について振り返っていました。お腹に穴が開きそうになるほどに不安な思いを抱えて登校し、学校で出会う誰もが自分の人生をメチャクチャにするのを楽しんでいるかのように感じられたことなど……。

私が中等学校に在学していた当時、インターネットは普及してはいませんでした。その代わりに、子供のいじめは保健室の壁に油性ペンや、茶色のプラスチック製の椅子に修正液ペンでいじめの落書きを書き込まれるといったものでした。他人についての落書きを見ては笑ったものです。そうすることがカッコイイ反応だと捉えられていたからです。そして自分の悪口の落書きを目にした時は、気にしていないように振舞いましたが、心の中では動揺し屈辱感を味わい、死にたいくらいだった。そのショックで夜は寝付けず、不安の波が押し寄せる夢から毎朝目覚めて通学する毎日でした。

自分の子供が、誰かををそのような気持ちにさせるのは受け入れられません。だからこそ、その電話を受けた日、それを知った私がどんな気持ちになったかをあなたにしっかりと理解させました。あなたの学年主任に連絡をして事情を説明した後、あなたを座らせ、学校時代に同級生に意地悪をされた際に私がどんな思いでそれを受け止めていたかを説明しました。自分の行動が、友達をどんな気持ちにさせただろうかを紙に書き出させました。そして謝罪の手紙を書かせ、友人の母親に届けさせました。そしてその週の残りは、自分の小遣いからその友人のランチ代を支払わせました。

自らの行動のせいで、あなたがいかに精神的に落ち込んだかを知っています。学校の皆の前で自分を大きく見せようとした振る舞いが、誰かの心を傷付ける場合もあるということを当時のあなたは理解できていませんでした。同じ過ちを二度と繰り返させないように導く義務が、私にはあったのです。

世界中で多くの子供がいじめを苦に自殺しています。子供たちが首にロープを巻いたり、過剰に錠剤を飲み込み自ら死を選ぶ背景には、それが現実世界のいじめに耐える生活からの唯一の逃避であるとの思いがあります。でも、逃げ場のない世界に見えても、学校生活するのはわずか数年に過ぎません。その期間を乗り越えたあとの世界は、旅に出たり、誰かと恋に落ちたり、キャリアを積んだり、家庭を築いたりと、素晴らしい経験に出会える可能性に満ちているのです。いじめが原因で自らの人生を終わらせてしまったら、展望の広がる世界に足を踏み入れることもできなくなってしまいます。 

そして今日、あなたはSnapchatに自分自身の体験談を書く投稿を上げました。その中であなたは、この新しいゲームがいかに陰湿なものか、いかに残酷で意地悪な振る舞いであるか、そして自分はそのような行為に加担したくないと訴えていました。

何人かの女の子達は、あなたの勇気ある意見に賛同するとメッサージを送ってくれました。ベッツィー、あなたの行動は勇気あるものでした。Snapchatの残酷ないじめグループに加わったり流されることもなく、Snapchatグループの何百という10代ユーザーに対して、ただ一人立ち上がり意見しました。自分の主張に対して仕返しされるかもしれない、いじめの標的になる可能性もあるのに…

あなたを誇りに思っています。あなたも私と同様に、戦う力を持っているのでしょう。でしょう。それは、あなたの良心に誰かを守るように訴えるものであり、支えを必要としている誰かがいないか周囲を気にかけるよう後押ししてくれるものです。ジョシュの励ましもあり私は34歳にして、ようやくこの戦う力を発揮できるようになったと感じています。

強い信念のもと、戦う力を発揮するあなたを見ています。年若いあなたが早くもこうした姿を見せてくれることに驚くばかりです。私には直接力になることはできなくても、あなたを支え励ますことはできます。

ありったけの愛を込めて

ママ」

レイチェルの励ましと、いじめに対峙して抗議の声を上げたベッツィの勇気は、こうした問題を解決していくための良い対処例と言えるでしょう。いじめを防ぐために大切なのは、子供に他人と自分自身を尊重するように教えることだとレイチェルは訴えます。ベッツィの対処方法にならう子供達が増え、レイチェルのように行動で示せる親が増えますように。