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ウォーキング中に、テープでぐるぐる巻きにされた子犬を橋の下に発見。

生き物をペットとして飼育するということは、その生涯を責任を持って面倒を見て愛情を注ぐということを意味します。しかし、世の中には飼い主としての最低限の資質すら持ち合わせていない人もいます。残念ながらペットは飼い主を選ぶことはできません。飼育放棄や虐待など、飼い主から悲惨な待遇を受けるペットは決して少なくはないのが現状です。

インディアナ州の街グリフィス在住のボブ・ホルターはスーパーに買い物へ行く途中、あるものに遭遇します。普段は車で買い物に行きますが、その日は健康のためウォーキングを兼ねてスーパーへと向かっていました。偶然にもこの決断が一つの命を救うことになるのです。

橋を渡っていたボブは奇妙な音に、ふと足を止めました。どうやら悲しげな動物のクンクンと鳴く声のようです。

橋の周囲や手すりから身を乗り出して見回しても、哀れな鳴き声の主はどこにも見当たりませんでした。そこで、急いで橋のたもとの川岸まで降りると、高架下周辺をライトで照らしながら音の元を探しました。

そしてようやく鳴き声の主を探し当てたボブですが、目に飛び込んできた光景に心を押しつぶされそうになりました。びしょ濡れの、怯えた様子の子犬が体を丸めて震えていたのです。しかも、子犬の口はテープでぐるぐる巻きにされていました。

衝撃的な子犬の姿にボブは言葉を失いました。口のテープを外すことで子犬にさらに怪我を負わせるようなことがあってはいけないと判断したボブは、子犬を抱き上げジャケットに包むと、そのままの足で最寄りの動物病院へと急ぎました。

動物病院受付でボブを出迎えたローリ・コヴァッチはボブの腕の中の力ない子犬の姿を見て飛び上がりました。すぐにボブから子犬を受け取ると、大急ぎで獣医の待つ診察室へと走りました。無事に獣医に子犬を引き渡すことができ安心したボブは、動物病院からスーパーへと買い物に向かいました。

獣医が診断した結果、子犬は生後4ヶ月ほど、口に巻かれたテープは数日間放置されたままになっていたらしく、化膿し炎症を起こしていました。獣医は細心の注意を払いつつ、ゆっくり慎重にテープを外していきました。

X線撮影の結果、片足を骨折いていることも判明しました。おそらく、橋の上から投げ落とされたのでしょう。

幸い、集中治療の甲斐あり、子犬は目を見張るほどの早さで回復していきます。投薬に加え温かな寝床、栄養たっぷりの食事、動物病院職員の手厚い看護のおかげで、子犬は日に日に元気を取り戻して行きました。

また、ここにきて子犬を引き取りたいと希望する人物が現れます。愛犬を亡くして間もないウィッティング夫妻が子犬の里親になりたいと名乗り出たのです。夫妻はすでに子犬を「ルイ」と名付け、引き取りを心待ちにしていました。

ルイを救助し動物病院に届けた人物を探すため、病院はFacebookで呼びかけました。口をテープでぐるぐる巻きにされた子犬の救出者を探しているとの投稿に、ボブの姪が気がつきます。ボブは動物病院に連絡し、ルイが退院する前に面会に訪れました。

ルイが自分を覚えていると思わず、面会に訪れたボブでしたが…ボブの姿を見るなり、ルイは大喜び。一目散にボブの元へ走り寄ると、腕の中に飛び込み、ボブの顔を舐めて再会の喜びを表現しました。あまりのルイの歓迎ぶりに、ボブは感極まって涙を浮かべてしまったほどでした。

ルイが元気に回復し、新しい家庭を見つけたことをボブは心から喜びました。そしてあの日、いつものように車ではなく、歩いて買い物に行こうと思いついた不思議な偶然に深く感謝したそうです。