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ジーンとくる話

自分の小屋に猫がいる!と困って飼い主を呼びに来たピットブル犬の優しさにほっこり

​犬は忠実な人間の友です。盲導犬や介助犬、災害救助犬や警察犬など人の暮らしを支えるために活躍する犬の例は数知れず。でも、犬の保護本能が向かう先は人間だけではありません。

​事件はその年の3月に起こりました。ある日、​歯科医師をしているファンは家の裏口をノックする音を聞きました。​ドアを開けると、そこにいたのは彼の愛犬ハーデス。ピットブルのハーデスは「ついてきて」と言わんばかりに吠えて、彼を外に誘い出したのです。​「彼が珍しく大きな音を立てて、困っているようだったのでついて行ったんです」とファン。

​外に出たファンは、犬小屋の異変に気付きました。ハーデスの小屋にはお客さんがいるようでした。近所の野良猫です。​猫は妊娠しており、子どもを産める安全な場所を探して小屋に入ったようでした。ファンはその猫とは顔見知りで、以前、数回餌をあげたこともありましたが、彼がなでようとすると逃げてしまうほど用心深い猫でした。​「とても驚きました」とファンは当時のことを思い出し話しました。

​ハーデスは出産場所を探して小屋に入った猫に最初は困惑していたようでしたが、結局自分の家を譲ることにしたようでした。さらに驚いたことに、ハーデスは猫の親子を守るようになったのです。「ハーデスは小屋の入り口に毛布をくわえて持って行き、その前に横になったので、母猫は安心して出産できたんです」とファン。

ハーデスが見守るなか、母猫は2匹の可愛い子猫を無事に出産。​「ハーデスは自分が子猫の父親だと感じているようでした」とファンは続けます。

​そんなハーデスのためファンは猫の親子を家に連れて帰り、母猫を「ニコル」と名付けて一緒に飼うことに。ハーデスはニコルと一緒に子育てにいそしみ始めました。

ファンは子猫が十分に大きくなってから、子猫のための飼い主を探すつもりです。

​一方、ニコルは新しい飼い主のファンとハーデスと永遠に一緒にいることに。​ファンは、ニコルに自分の家を譲ったハーデスの優しさや、ハーデスとニコル親子たちのふれあいが、「攻撃的で荒々しい犬」というピットブルの悪評を覆してほしいと願っています。​

「ピットブルは良い犬です。ハーデスは他の誰かを助けるためにすべてを与えたんです」とファンは言います。

© Facebook/Juan José P Flores

ハーデスの無私無欲の優しさは、私たちに大切なものを思い出させてくれます。新しい家族のもとで安心して子育てできるニコル、よかったですね。

プレビュー画像: ©Facebook/Juan José P Flores ©Facebook/Juan José P Flores